川の光日記

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地下鉄サムの元ネタ発見

tham03

連休だというのに、朝から大雨が降っている。

タミーは近所の公園で、制止を振り切って水たまりにスライディングし、
得意技のひとつ「いい湯だな」を披露して、全身泥まみれになり、帰宅後バスルームに直行。
その後、はしゃぎまわってくたびれたらしく、ソファでハナちゃんと二度寝している。
気楽でいいな動物は…とため息をつきたくなるのはこんな時である。

今朝の『川の光2』では、「サム」と称する婆さんネズミの妖術(実は催眠術?)にかかって
チッチとタータがもがき苦しんでいると、土の壁を破って、突然、正体不明の動物が出現した。

「広がった穴の入り口から、何か大きな薄茶色の動物がぬうっと突き出している。
顔かたちはネズミに似ているが、ただ、なにしろ大きい。
その頭部は人間の子どもの丸めたこぶしくらいもある。」

ううむ、この動物はいったい? もしかしてこれが本物の「地下鉄サム」なのか?

このところ『川の光2』の読者に会うたびに必ず「あの婆さんネズミは、本当にサムなんですか?」と聞かれてきたし、
私自身も、名前のイメージからしてなんだか偽物くさい、と疑ってはいた。
この婆さんネズミには、「サム」より「お竜」とか「お熊」のほうが似合いそうではないか。

ねえねえ、この大きい動物が本物のサムなんだよね? ね? ね? としつこく問いただしてみたが、
最近、ネタバレされるのを恐れてすっかり秘密主義になってしまった夫は
「フッフッフッ…」と余裕の含み笑いをするだけで何も教えてくれないのだった。
真相は明日を待つしかない…。

ところで、地下鉄サムには、元ネタがあったのをご存知だろうか。

先日、書庫を整理していたら、こんな本↓を発見した。

tham04

ジョンストン・マッカレー作、乾信一郎訳『地下鉄サム』。
1959年初版、1960年5版の創元推理文庫。なんと定価70円。

訳者のあとがきによると、戦前、アメリカの“The Detective Story Magazine”という
パルプ・フィクション誌に連載されたシリーズらしく、読んでみると、粋なコント集のような感じだった。

主な登場人物は、ニューヨークの地下鉄をなわばりにしているスリのサムと、名探偵クラドック。
二人はトムとジェリー、ロードランナーとコヨーテ、またはルパン三世と銭形警部のような関係で、
軽口を叩きあう一種の友達でありがなら、毎回、追いつ追われつの捕物を繰り広げる。
そしていつものように、サムは巧みに探偵の罠をかわして逃げおおせる…というパターンだ。

特徴的なのは、ちゃきちゃきの江戸弁で翻訳されていること。たとえばこんな感じ。

「これはクラドックのだんな、またぞろここで、
だんなのまずいつらをきょうもおがませられるんですかい?」
「まずいのはお互いさまだろうぜ」
「きょうもまたひなたぼっことは恐れいりやしたな。ニューヨーク市なんてもなあ、
ひなたほっこをしてりゃお役人様に給料を払うんですかね?」
「おれがな、ニューヨーク市から給料を貰っているのは、
きさまみたいなよくねえ野郎をふんづかまえるためだ。知らざあよく覚えときな」

アップタウンは「山ノ手」、刑務所は「川上の石造りの別荘」、スリは「抜き屋」と訳されていて、
サムは「なにを言ってやんでえ! べらぼうめ!」なんて啖呵を切る。
脇役のネーミングも「鼻のムーア」「めかし屋のノエル」「高架線のエルマ」
「南京豆のピート」といった具合で、なんとも活きがよく愉快な読み物なのだ。

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原文もちゃきちゃきのニューヨーク下町言葉で書かれているらしく、
タイトルのスペルは“Subway Sam”ではなく、ニューヨーク下町訛りをそのまま綴って“Thabway Tham”。

「ねえねえ、これが元ネタでしょ!」と夫に報告すると
「もちろんそうだよ、知らなかった~?」とあっさり返され、不勉強を反省した次第。
なにしろ夫は開成中学時代に推理小説研究会に所属していた、筋金入りの創元推理文庫の読者なのだ。
(彼は『火星のプリンセス』や『レンズマン』などのSFシリーズの熱狂的なファンでもあり、
『火星~』を映画化した『ジョン・カーター』には大きな期待をかけていたのだが、
見てみたら、“絶世の美女”という設定の火星のお姫様を演じた女優さんが若いころの八代亜紀に似ていて
「僕のデジャー・ソリスはあんな女じゃない…」とがっかりしていた)

『地下鉄サム』は現在は絶版だが、アマゾンなどで古本が入手可能。
地下鉄サム (創元推理文庫 126-1)


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  1. 2012/05/03(木) 11:27:36|
  2. 川の光
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:7
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コメント

救世主きたる!

ここ数日の展開は手に汗にぎる・・という感じで毎朝はらはらでした。

毎朝犬の散歩を終わらせてからゆっくり読むのを楽しみにしていますが、今朝だけは朝起きてすぐに新聞を開いてしまいました(笑)!
前に言われていた「もう一人」がサムなんですね?

これからがますます楽しみですが、残りあと三分の一くらい?そう考えるとじわり寂しさが・・・。
  1. 2012/05/04(金) 12:34:43 |
  2. URL |
  3. りり #1wIl0x2Y
  4. [ 編集 ]

新聞争奪戦

今、TVで警察犬きなこの映画をやっていますが、何も起こらないうちから、涙腺がゆるみっぱなしになっています。
さて、連休に入り、毎日のように橋本の図書館に出掛けています。読売新聞を読みたいのですが、いつも誰かが読んでいます。今日は、開館前に並んで入った筈なのに、目の前でさらわれてしまいました・・・。仕方なく、棚に置かれた前日の新聞を読む毎日です。あの救世主の正体が知りたいのに、結局読めず・・・。
「地下鉄サム」は、残念ながら図書館にありませんでした。江戸弁のサム、面白いですね。先生も、お目にかかる前は、べらんめい調のハスキーなお声を想像していたので、講演のなめらかで上品なお声を聞いて、びっくりしたんですよ。
  1. 2012/05/04(金) 14:14:29 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

連休ずっと仕事ですが

何があっても、新聞の川の光だけは
読んでいきます。昨日はもうハラハラ
今朝は何だか、胸を撫で下ろしながら
出勤しました。

我が家のチッチとタータは
最近は高齢になったせいか
寝ている時間が増えました。
  1. 2012/05/04(金) 14:50:08 |
  2. URL |
  3. らんくす #-
  4. [ 編集 ]

ついに本物のサムが登場!

皆様、いつもコメントありがとうございます!

昨日、ついにリアル・サム登場で、俄然、物語に動きが出てきましたね。

→りりさん
> これからがますます楽しみですが、残りあと三分の一くらい?そう考えるとじわり寂しさが・・・。
そうなんですよ~。若干の延長は可能らしいんですが。

→あきさん
ぜひ、時々図書館で続きを読んでやってください!
夫の話し方は、『川の光』のなかではタミーと本物のサムに近いような気がします。

→らんくすさん
お仕事大変ですね。実は私も夫も連休中はずっと家で仕事でした…。
  1. 2012/05/05(土) 11:01:48 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

こんにちは

IZUMIさん、きょうは良いお天気ですね。夫と猫が、タミーちゃんとハナちゃんのような格好で寝ています。「いい湯だな」ネーミングに座布団あげたいです。読売新聞を取ったその方は、膝の上に乗せたまま、ずっと眠ってらっしゃって・・・。勝手にめくって「川の光2」を読んでしまおうかと思いました。新聞が読めないので、「文藝」(古井先生の特集)と先生が時評をされた小説を読んで来ました。赤坂さんの小説は、難しかったです。帰りに先生のご本(古井先生とのもの)と古井先生の「辻」を借りて来ました。また来週行って来ますね。先生のお声、本当に素敵でした。タミーちゃんということは、少年っぽい女性的な声ということでしょうか。「あったかい」お声でしたよ。あのお声で誉めていただいたら、私みたな者でも伸びそうな気がするのですが(←本当か?)・・・。お声を毎日聞けるIZUMIさんが、心から羨ましいです。お仕事、頑張って下さいね。
  1. 2012/05/05(土) 14:11:58 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

自宅でお仕事お疲れ様です。
タミーちゃんの写真で、癒されました。
サム…かっこいいですね。
毎朝新聞が待ち切れません。
タミーちゃん、撫でてみたい位ツヤツヤですね。
  1. 2012/05/05(土) 15:35:35 |
  2. URL |
  3. らんくす #-
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  1. 2015/05/25(月) 21:58:32 |
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連休だというのに、朝から大雨が降っている。タミーは近所の公園で、制止を振り切って水たまりにスライディングし、得意技のひとつ「いい湯だな」を披露して、全身泥まみれになり、...
  1. 2012/05/06(日) 15:03:29 |
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