川の光日記

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2011年動物本ベスト5 その⑤ 『動物論』

doubutsuron01

2011年の動物本ベスト5、最後の一冊はハナちゃん推薦枠である。
なんと、十八世紀フランス啓蒙思想を代表する哲学者、コンディヤックの『動物論』を紹介したいという。

「さすがにハナちゃん、なんていうか、マニアックな選択だねえ…」
「コンディヤックさんは、たしかに日本ではマイナーな存在よね」
「私なんて名前を昔どこかで聞いたことがある程度だったけど」
「でも、ミシェル・フーコーさんは『臨床医学の誕生』で、ジャック・デリダさんは『グラマトロジーについて』で、
すでに60年代にこの人に言及しているし、デリダさんなんて『たわいなさの考古学』というコンディヤック論まで書いてるの」
「ははあ…」
「だけど、デリダさんみたいに脱構築せずにストレートに読むと、この『動物論』の面白さはちょっとわかりにくいかも」
「たしかに。だって、いまでは常識になってることが、世紀の大発見みたいに高らかに宣言されてるでしょ?
なにしろ、章ごとのテーマがこんな感じ。
“獣はただの自動人形ではないということ”
“もし獣が感じるとすれば、我々人間のように感じるということ”
“獣は比較し、判断するということ。獣は観念をもち、記憶をもつということ”
あまりにも当たり前の事実が大真面目に論じられてるだけじゃない?」
「その通り。だから私はこれを、一種の『猿の惑星』体験として読んだの」
「?」
「自分が猿の惑星で檻に入れられて、コーネリアスとジーラみたいな猿が興味深げに覗き込んでいる図を想像してみて」
「はいはい。そういえば去年公開の『猿の惑星:創世記』って面白い映画だったね」
「猿たちは猿語でこう話し合ってるわけ。“この生き物は一種の自動人形なんじゃないか?”
“変な鳴き声は出してるけど、感覚とか記憶とか、なさそうだよね?”」
「うーん、それはなかなか怖い図かも…」
「コンディヤックさんが『動物論』でいまでは常識だと思えることを論証したのは、裏を返せば、
この本が出版された当時は“動物は機械と同じ、判断力も感覚もない”という見方が、哲学的に主流だったからなのよね」
「そう考えると、歴史的に意義のある本なんだね…」
「まあ人間たちも、この二百数十年で、多少は進歩したってことかしらね…」

ハナちゃんは深いため息をつき、台所で好物のドライフード「Zeppin懐石 ホタテ風味」をカリカリ齧ってから、
午後の巡回へと出かけていったのだった…。

doubutsuron02
↑動物たちの苦難の歴史を思い、ちょっと目つきが怖くなっているハナちゃん。



2011年11月刊。古茂田宏訳/法政大学出版局


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  1. 2012/01/20(金) 23:51:32|
  2. 動物の本
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<『川の光2』の動物たちはいまどこに? | ホーム | 夫です。またまた失礼いたします。>>

コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
  1. 2012/01/21(土) 12:08:06 |
  2. URL |
  3. 職務経歴書の書き方 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こちらこそ、ありがとうございました。
またお時間のあるときにお立ち寄りください!
  1. 2012/01/21(土) 23:17:52 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2012/01/22(日) 16:05:23 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

betty さま、コメントありがとうございました。
「川の光」読んでいただいてうれしいです!
夫もいただいた感想をありがたく拝読しております。
猫のはなちゃんにもよろしくお伝えください。
  1. 2012/01/22(日) 19:29:03 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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