川の光日記

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2011年動物本ベスト5 その②『グーグーだって猫である』



2011年の動物本ベスト5続き。
今年ついに第6巻で完結した『グーグーだって猫である』は、やっぱり外せないと思う。

1995年、愛猫サバを15歳で亡くし、喪失感で茫然としていた大島弓子は、
吉祥寺のペットショップで一匹の子猫と出会い、グーグーと命名する。
やがて野良猫のビーが仲間入りし、2匹との穏やかな生活を謳歌していたある日、
作者は悪性腫瘍の宣告を受ける。
2巻で描かれるのは、手術を受けて抗がん治療を乗り越えるまでの闘病記。
3巻では、野良の子猫たちを見かねて世話をするうちに情が移って、猫がどんどん増えていく。
作者は猫のために24年住んだマンションから庭付きの一軒家に引っ越す。この時点で猫は9匹。
4巻以降はさらに猫が増える。5巻では保護施設からやってきた犬まで登場する。
ただしさすがに飼いきれなくなって、犬は新しい飼い主のもとに去っていくのだが。

6巻では、猫はなんと13匹になっている。そして2011年4月21日のグーグーの死で、
11年にわたって描かれてきたシリーズは幕を閉じる。

この作品で、大島弓子は作風が変わった。
グーグーは、『綿の国星』のチビ猫やサバのように擬人化されず、リアルな猫の姿で描かれる。
連載の第一回、第二回あたりではまだ細かった描線は、回を重ねるうちに太く、力強く変化していく。
最初はグーグーの一挙手一投足に感激していた作者は、癌を克服し、野良猫たちのゴッドマザーとなり、
いつのまにか少々のことには動じないタフな飼い主に成長している。

野良猫たちの暮らしは厳しい。猫たちは病気や事故であっさり死んでいく。
その一方で、作者の前には保護すべき小さな命が次々と現れる。病と死はもはや日々の生活の一部だ。
だからだろうか。突然訪れたグーグーの死は、意外なほどさりげなく報告される。
ただし最後の「グーグーの肉球に/指をあてると/にぎり返してきました」というネームは、涙なしには読めないのだが。

6巻を通して再読してみて、これは「猫をペットとして飼っていた人」が「猫の世界の人」になる物語なのだと思った。
おそらく、3巻か4巻のどこかの時点で、大島弓子は人間と動物の境界線を超えて、動物側で生きる人になったのだ。
猫好きがたどり着いた究極の境地というべきだろうか。

感動的な場面はいくつもあるが、私がいちばん好きなのは連載88回目の「川を渡り 野を走る」。
井の頭公園のホームレスに養われていた野良猫から大島家の家猫になったタマが、
作者と一緒に広い野原を散歩する場面だ。
タマが草原を全速力で走る姿を俯瞰でとらえたひとコマが、この連載では珍しいほど拡大されている。
次第に感傷が排されていく物語のなかに漂う一瞬の抒情。このひとコマは本当に泣ける。


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  1. 2011/12/20(火) 23:55:07|
  2. 動物の本
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