川の光日記

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犬の伊勢参り



大掃除をしていると、「お正月用に」と自分に言い訳してアマゾンで衝動買いした本が無性に気になってきて、
「ちょっと休憩がてら、ぱらっとめくってみよう…」と手に取ってそのまま読み始め、掃除がちっともはかどらない、
という事態が往々にして発生する。

そのようにして、この忙しいなか、あっという間に読了してしまったこの一冊。しかし今年は20年に一度の
伊勢神宮の式年遷宮の年でもあったわけだから、年内に読めてよかった(…と再び自分に言い訳)。

タイトルに惹かれて入手し、日本美術における犬の図像学のようなものだろうと勝手に思い込んでいたのだが、
読んでみたらなんと、江戸時代に本当に伊勢参りをした犬がいた!という驚愕の内容だった。

明和八年(1771年)。赤白ぶちの犬がどこからともなく伊勢神宮に姿を現し、
本宮前の広場で平伏し、礼拝する格好をした。
宮人たちはその様子にただならぬものを感じ、お札を首につけてやったところ、ぶち犬は続いて内宮に直行し、
そこでも同じように平伏、礼拝。その後、山城国の飼い主の元に帰っていった。
家にたどり着いたときには、道すがら与えた人が何人もいたらしく、ひもに通した小銭を数百も首に巻いていた。

平伏して礼拝…まあ単に「伏せ」をしただけ、という気もするけれど、
これ以後約100年にわたって、同じように単独で伊勢参りをする犬の目撃談が、数多く残されているのだそうである。

背景にあったのは、庶民が突然、仕事や家族を放り出して伊勢神宮参拝を始める
「お蔭参り」という江戸時代特有の現象。
人々が伊勢に押し寄せるなか、犬が人間と一緒に移動しても不思議はない、と著者は推測する。
もちろん犬に信仰心があったわけではなく、その姿を伊勢参りに見立てたのは人間なのだが。

江戸時代、犬の多くは「里犬」と呼ばれ、特定の飼い主がいる犬はまれで、
長屋の軒下、藪の中、神社の境内などをねぐらにしながら、近所の人たちに食べ物をもらったり、
ほっつき歩いて自分で餌を探したりして生きていた。
いろんな人たちに面倒を見てもらいながら長距離を移動する犬も少なくなかった。

だが、明治になって人と犬の関係が近代化し、「飼い犬」と「野良犬」に区分されるようになってから、
この愉快な犬の伊勢参りは、ぱたりと途絶えてしまったらしい。

ふと、何年か前に南イタリアの海辺の町で、ふらっとわたしたちの前に現れ、
数メートル前方を先導するようにしばらく散歩に付き合ってくれた雑種犬を思い出した。

日本にも旅する自由犬がいたら楽しいのに。
あるいは『川の光 伊勢参り編』なんてどうだろうか。
しかし伊勢参りに似合うのはなんといっても和犬。
ジャーマンシェパードやウェストハイランドテリアは、なんとなく伊勢神宮にはフィットしない気がする。

↓サンタ帽をかぶってウトウトする我が家の洋犬も、伊勢参りにはあんまり関心がなさそう…。

IMG_2139b.jpg




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  1. 2013/12/25(水) 18:33:51|
  2. 動物の本
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コメント

こんにちは

IZUMIさん 先生 今年も一年おつかれさまでした

つらく悲しい時も 更新していただきありがとうございました
来る年は 穏やかな一年になりますように

よいお年をお迎えください
  1. 2013/12/27(金) 12:48:14 |
  2. URL |
  3. まゆこ #-
  4. [ 編集 ]

お疲れ様でした。

IZUMIさん、こんにちは。お参りするわんちゃんですが、四国にいた頃、金毘羅さんでも同じようなお話を聞いた気がします。わんちゃんのお話には、感動を与えたり感心したりする物が多いですが、それに引き換えねこちゃんは、お家騒動の元になったり、化けて出たりと(そういえば化け猫はあるが、化け犬は聞かないですね)碌なものがないのがちょっと可哀想・・・、などと思っていたら、12月早々に張り替えた筈の障子が穴だらけになっているのを見て、やはり無理からぬことと納得してしまった私です(笑)。
朝日の文芸時評、拝見しました。吉村さんの「ボラード病」は、先日の千葉氏の「繋がりすぎ・・・」に通じる物を感じました。戌井さんや筒井さんの作品は、何やら現実離れした物のようですが、今日は掃除の手を止めテレビをつけたら、クリスチャン・ベールの「マシニスト」をやっていて、映画のために30キロも減量したという不眠に悩む彼の様相を観ていたら、何が現実なのか分からなくなりました。映画の彼のように現実逃避ばかりしている私は、現実の方を手玉に取ってしまうという筒井さんのパワーに、ぜひあやかりたいと思いました。お忙しい中、本当にお疲れ様でした。来年も楽しみにしていますので、ご無理のない程度に頑張って下さいね。
  1. 2013/12/27(金) 16:56:50 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

お伊勢さん参り

やっぱり寒いのはねー!とか、ぶつくさ言いながら、ななんと、28日も夜ではありませんか・・・・!まだ、たいして準備もしていない私です。そうそう、何かやらなきゃと思いながら、他のことしたくなるんですよね!IZIMIさんも、同じだと思うと、嬉しくなっちゃいますよぉ。そんな時に読む本は、ちょうど、エプロンのポケットに入ってたお煎餅なんかをポリポリしながら、最後まで読んでしまったり。いかんいかん、心を引き締め、明日から頑張ろう!
家も家族も放り出しての「お蔭参り」何だか私、妙に心惹かれますよ。江戸時代は犬も自由犬だし、人も自由人というかガスぬきが上手だったんでしょうか。
「川の光」伊勢参り編、マクダフがいれば安心。大丈夫。何かワクワク楽しそうですね!ついでに弥次喜多で京都の三条大橋までどうでしょうか?昔、そういうすごろくありましたよね!伊勢といえば、赤福餅・・・・。お抹茶ともいいけれど、熱々のほうじ茶ともイイですね。これから大好きな黒豆を煮まーす。
PS/「さようならオレンジ」とてもよかったです。後味が、本当にさわやかで、幸せな気持ちになりました
。空にある、私たちみんなで一緒に共有している大切なオレンジ色の宝物。また明日も会えるんですよね!きっと、このことを幸せって言うんでしょうね!
IZUMIさんのこのブログも私たちフアンの幸せです!ありがとうございます!
風邪流行っています。どうぞどうぞお元気でお過ごし下さい!
  1. 2013/12/28(土) 19:49:16 |
  2. URL |
  3. アロマポット #3l8pHDnU
  4. [ 編集 ]

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