川の光日記

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『フランケンウィニー』で心に傷を負う

春に刊行予定の『明治の表象空間』を仕上げるために根をつめている夫。
ウクレレの教則本を前に四苦八苦している私。
煮詰まる理由にずいぶん差があるが、とにかく二人そろって煮詰まってしまったので、
気分転換のため、街に出て映画でも見ようということになった。
軽い気持ちで選んだのが『フランケンウィニー』。
どんな内容かはなんとなく知っていたのだが、まあティム・バートンだし、
ストップモーション・アニメだし、楽しいんじゃないじゃないの?くらいのノリであった。

ところが、上映開始90数分後。
エンドクレジットを前に、泣きぬれた瞳で陰鬱な視線を交わし合った私たちは
予想もしなかったトラウマを心に負って、劇場を後にすることになった。

「こんな映画、見るんじゃなかったね」
「ぼくは最初から、悪い予感がしてたよ」
「なんだか、心に深い傷を負っちゃったね」
「だから『最強のふたり』にしようって言ったのに」
「スパーキーは、あれで本当に幸せなの?」
「まあガールフレンドもできたみたいだから、一応幸せなんじゃないの?」
「ああいうの、本当の幸せっていうのかなあ…」
「自分のお墓の前で丸くなってたね…」
「ああ早く帰って生きた犬をモフモフして、この傷を癒さなければ…」


『フランケンウィニー』より、生前のスパーキー。

franken2.jpg
フランケン化したスパーキー。

お話はシンプルで、要するに『フランケンシュタイン』の本歌取りである。
孤独でオタクな少年が、事故で死んでしまった愛犬スパーキーを雷の力を利用して復活させる。
ところがそれを知った級友たちが真似をして、大小のモンスターを創造してしまい、
アメリカ郊外のスモールタウンは大騒ぎに…

こう紹介すると、なんだか愉快な作品のようだし、実際、映画としては、
文句のつけようがないくらい隅々までよくできているのだ。
しかし、私たちがつい失念していたのは、これは「犬が死んで無気味な姿で甦る」物語だということ。
そしてさらに始末がわるいのは、ゾンビのような姿になっても、
スパーキーの性格は以前と変わらず、素直で忠実な犬のままだという点である。
スパーキーが無邪気に駆け出して車に轢かれてしまう場面、
ツギハギだらけになって甦ってシッポを振り、少年の顔を舐める場面、
家から逃げ出して行き場がなくなり、自分が一時埋まっていた墓の前で丸くなって寝てしまう場面…
これらが、犬飼いとしてはいちいち胸にこたえる。

原作の小説や映画化作品の“フランケンシュタイン”は、
フランケンシュタイン博士が実験のために墓場から盗掘した見知らぬ他人の死体を繋ぎ合わせた怪物だった。
『フランケンウィニー』の少年が甦らせるのは、最愛のペットである。そこが決定的に違う。
いちばん可愛いものが、いちばん無気味な存在になってしまうこと。その胸がしめつけられるような感じ。
それこそがティム・バートンの真骨頂なわけだし、
実際、これだけ見るものを動揺させるパワーを備えた作品ではあるのだが…。

急ぎ足で帰宅し、きょとんとしているタミーとハナちゃんを撫で撫でしまくって、
ようやく心の落ち着きを取り戻した私たちであった。

P1050138b.jpg






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  1. 2013/01/12(土) 22:14:52|
  2. 動物の映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<大雪の朝、白黒猫はダイオウイカの夢を見るか? | ホーム | 2012年の動物本③ 『孤独なバッタが群れるとき』>>

コメント

こんばんは

私もこの映画、観たいような観たくないような・・・
いろんなところでやってた番宣を見るたび、何とも言えない気持ちに(苦笑)

うちにも犬がいるので余計に感情移入してしまうでしょうね。

私も先生と同じく悪い予感がしてたので(笑)たぶんこのまま観ないままだと思います。
  1. 2013/01/13(日) 23:47:41 |
  2. URL |
  3. まゆろあ #-
  4. [ 編集 ]

フランケンウィニー

そうですね、ブログに書いたとおり、犬飼いの方にはあまりおすすめしません。
やっぱりティム・バートンの最高作は『シザーハンズ』ですよね。
『フランケンウィニー』とテーマはほとんど同じなのですが、犬が巻き込まれないので安心です。
  1. 2013/01/14(月) 13:21:33 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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