川の光日記

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2012年の動物本①『狼の群れと暮らした男』



2012年もいよいよ終わろうとしているので、
今年読んだ動物本で、印象に残った何冊かについてメモしておこうと思う。
なかでも、いちばん強烈だった一冊がこれ↑。

ここ数年、オオカミを題材にした書籍や映画が静かに増えているような気がする。
たとえば以前にもこのブログでちょっと触れた、マーク・ローランズの『哲学者とオオカミ』(白水社)。
オオカミを飼った哲学者の体験談と、そこから導かれる人間と動物の関係をめぐる哲学的な考察で、
その変人ぶりに感心し、たいへん面白く読んだのだが、
それをはるかに凌駕するのが、この『狼の群れと暮らした男』=ショーン・エリスさんなのである。

エリス氏は、オオカミを人間社会に導きいれて「飼う」のではない。
みずから単身ロッキー山脈の奥深く分け入って、オオカミの群れのなかに身を投じてしまうのだ。
そして最初のうちは「試し噛み」されたり、体当たりされて気を失ったり血尿を出したりしながらも、
やがてオオカミの家族に受け入れられ、約2年の間、一緒に生活することに成功する。
この間、食事はオオカミが分けてくれる生肉のみ。
森から出てきたときは体重が20キロ以上減り、別人のようになっていたらしい。

もちろん、これは普通の人がいきなりトライしてできることではない。
エリスさんは英国ノーフォークの田舎で動物たちに親しんで育ち、さまざまな肉体労働を経験し、
軍隊でSAS(陸軍特殊空挺部隊)の過酷な訓練を受け(これがロッキーではかなり役立ったらしい)、
その後アメリカに渡って、アイダホ州でオオカミの保護活動に携わっている。
オオカミ化する下地は一応できていたのである。
それにしても、奇人変人の域を軽く飛び越えた、スーパー・エキセントリックな人なのは確かだ。

無題
↑オオカミに「よぉ! どうだい調子は?」と言われているエリスさん。

イギリスに帰国後は、自然動物園を根拠地にオオカミを飼育しながら野生オオカミの保護活動を続け、
その活動がBBCやナショナル・ジェオグラフィックなどで紹介され「ウルフマン」として有名になったエリスさん。
人間と動物の境界を超え、あっち側に行って帰ってきたワイルドな人のわりには、なぜか女性にもモテて、
子供が5人もいる(ただし女性たちは最終的にはついていけずに去っていくのだが…)
そしてライターが彼の語りをまとめたこの本も、極端に求道的だったり、ニューエイジ的だったりすることなく、
時にユーモアを交えながら、かなり淡々と客観的に、破天荒な体験を振り返っていて好感がもてる。

私が感動したのは、巻頭で紹介されているオオカミと少年のエピソード。
エリスさんは、自分が管理するオオカミ園にやってきた自閉症で身体障碍者の少年に、
赤ちゃんのときに下あごを潰されて「グーフィーのような顔になってしまった」けれど
性格は優しいザーネスティという名前のオオカミを、おそるおそる対面させてみる。
するとオオカミは少年の前で正座して、彼の顔を舐めはじめ、
それまでどんな感情も見せたことがなかった少年の目から、一筋の涙がこぼれたというのだ。

この本にはザーネスティの写真も載っていて、本当にグーフィみたいだけどやさしい顔をしている。








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  1. 2012/12/20(木) 18:27:05|
  2. 動物の本
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

早速注文しました!!!

以前からオオカミの生態には興味があったのですが、何を読んだらいいのか・・・皆目見当が付かなかったので、早速お勧め頂いたこの本をネットで注文しました。到着が楽しみですが、これから年末年始仕事がとっても忙しくなる為、ゆっくり読めるのは来年10日過ぎになります。読める距離にあるのに、手が出せないもどかしさが続きます・・・。
  1. 2012/12/21(金) 19:05:33 |
  2. URL |
  3. まやてつ #FCWDJ4oA
  4. [ 編集 ]

狼は心優しい

狼好きで、我が家には
狼の写真が飾ってます。
狼は心優しい動物なんですよ。
どうしても、怖い、凶暴という
イメージがありますが
家族愛にあふれていて
一緒に過ごすと、必ず
狼の魅力に惹かれます。
日本では標茶町にご夫婦で
狼と暮らしている方がいますね。
ネイチャースクールとして
世間のみんなに狼を知ってもらう活動しています。
日本狼は絶滅してしまいましたが
人間が他の動物を絶滅させないためにも、人が地球は人間だけのものではないと再認識しなければ
いけませんね。
  1. 2012/12/23(日) 16:26:11 |
  2. URL |
  3. らんくす #-
  4. [ 編集 ]

Re: 早速注文しました!!!

まやてつさん、こんにちは。年末年始、お忙しそうで大変ですね。
お体に気を付けてくださいませ。
この本は、この「ウルフマン」さんの自伝という体裁ですが、
オオカミの生態も、彼らの魅力もよくわかる本だと思います。
  1. 2012/12/23(日) 16:42:17 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

Re: 狼は心優しい

らんくすさん、こんにちは。
犬好きだと、自動的にオオカミ好きになってしまいますね。
一時は目の敵にされて、日本では絶滅、世界的にも数がずいぶん減ったみたいですが
本当は無駄な殺生はせず、自分たちが食べるぶんしか狩りをしない、警戒心の強い動物だということが
この本を読むとわかります。
  1. 2012/12/23(日) 16:44:30 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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