川の光日記

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受章リポート第二弾

さて、去る11月13日、午前中に褒章の伝達式を終えた私たちは、
昼食後、他の受章者の方々と一緒にバス3台に分乗し、如水会館を出発して、
拝謁のために皇居に向かった。以下の赤い線がそのルート。

koukyo1

一ツ橋からお堀に沿って南下して、坂下門から皇居内へ。距離にすればおそらく2キロ足らず。
あっという間に宮殿前の東庭に到着する。

皇居内は、携帯電話の使用も写真撮影も一切禁止なので、残念ながら画像はご紹介できないのだが、
この東庭というのは、よく新年の一般参賀のときにTVに映し出される、
日の丸の小旗を振る人々がひしめき合う、あの場所である。
眼前にそびえるのは宮殿の七つの棟のひとつ、長和殿。
新年に防弾ガラスの向こうで皇室の方々がにこやかに手を振っている、あの建物だ。

このお庭(というか私には広大な駐車場のように思えたが)で、拝謁の時間になるまでバスに乗って待機。
皇居内での自由行動は許されていないらしく、トイレに行くにも、必ず文部科学省の職員が付添うことになっている。

待つこと約40分、アナウンスが流れ、受章者と同行者が別々のグループになって宮殿内へ。
東西に長い長和殿の南端にある「南溜」から、拝謁が行われる二階の「春秋の間」へと階段を上がっていく。

こうして宮殿の内部を見学できたことは、私にとってこの日のハイライトのひとつだった。
これまでヨーロッパで見てきた宮殿は、どれも「これでもか」と権力を誇示するようなバロック建築だったが、
この宮殿は非常にシンプルでありながら、雄大なスケール感がある。
そしてこれは戦後に建設された、紛れもない近代建築なのである。

基本設計は吉村順三。彼の『火と水と木の詩 私はなぜ建築家になったか』という本にはこんな発言がある。
「日本の国というのは、昔からイギリスのキングみたいなものだとか、ルイ何世みたいなのが居たわけではなくて、
天皇といえども、庶民の生活とあまり変わらないので、資材もなく限られたスペースの中で、この日本の文化を造ってきたんです。
だから無手勝流というか要するに、できるだけ少ない材料で、最大の効果を上げようという(……)
そのような事が、近代建築の発生の原因と共通するものがあると思います。」

う~ん、なるほどね~、と好奇心丸出しで宮殿内部の様子を目に焼き付けながら、遅れないよう転ばないよう
(ここで転倒してまた肋骨でも折ったら大変)必死に歩いているうちに、春秋の間に到達。
伝達式と同じ要領で、前方に受章者、後方に同行者が並び、天皇陛下を待つ。

待つこと5分。向かって左側の巨大な障子がスルスルと音もなく開き、陛下がお出ましになる。
中央の壇で受章者にお祝いの言葉を述べられた後、陛下は受章者と同行者の前をゆっくり一巡し、
スルスルと音もなく開いた向かって右側の巨大な障子の向こう側へと、静かに退出されていった。
この間、おそらく10分足らず。非常に洗練され様式化された、祭祀的な雰囲気の漂う拝謁であった。

この後、皇室のアルバムと、菊の紋入りのお菓子を拝受して、またバスに乗り込む。
今度は北の乾門から出て、以下のルート↓で東京駅まで送っていただき、そこで解散。

koukyo2.png

こうして、ロラン・バルト言うところの東京の「空虚なる中心」の核心部を一巡し、
ふと気が付くと夕暮れの東京駅前に立っていた私たちは、
疲労困憊のあまり、『東京物語』の終盤で尾道へと帰る笠智衆と東山千栄子の心境になっていた。

P1050003.jpg

とにかく脳に糖分を補給しなければ、とリニューアルオープンしたばかりの東京ステーションホテル2階の
「TORAYA TOKYO」へ。あんみつと煎茶とマカロンを前にしみじみ語り合う。

「お父さん、今日は大変なことでしたなあ」(←なぜか尾道弁)
「わしらのような、吉祥寺に住む田舎のねずみのようなものがなあ…」
「こんな重たい褒章やら、お菓子までいただいて」
「わしらは、ええほうなのかもしらんな」
「ほんまに、ええほうですよ…」

『東京物語』では、このあと尾道に戻った東山千栄子は疲れのあまり倒れて帰らぬ人となり
笠智衆が「こんなことなら、もっとやさしゅうしておけばよかったと思いますわ」と述懐するわけだが、
私もなんだか、緊張と疲れで倒れてしまいそうな気がする。
その場合、夫は「やさしゅうしておけばよかった」と思ってくれるだろうか。思わないだろうなきっと…。

そして中央線で帰宅すると、長時間の留守番に飽きたハナちゃんによって、
タミーに「黄金のかぼちゃ賞」が授与されていた…。

P1040088.jpg









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  1. 2012/11/17(土) 16:32:01|
  2. 日記
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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コメント

ツーショット写真は・・・?

IZUMIさん、こんばんは。今日は雨でしたね。お散歩大丈夫でしたか?明日は晴れるかな?
臨場感あふれるリポート、ありがとうございます。
緊張の中、詳しくよく覚えていらっしゃいますね。冷静に観察されてますし・・・。ホームズの片腕、ワトソン氏みたいに優秀です!
「春秋の間」ですか。行ってみたいですね~。着物だけは、随分前に買ってあるんですけど・・・(笑)。
で、やはり、お写真は公開していただけないのですね・・・。そりゃあ、あんまりですぜ(?)。ご夫妻のツーショット写真、リクエストは駄目なんですか?ああ、拝見したいな~(←しつこい(笑))。
この度は、おめでとうございました。ご夫妻のご活躍とご多幸を心からお祈りしています。
※IZUMIさんは、「未亡人読本」(河治和香さん著 新潮文庫)は、お読みになったことありますか?題名だけ見ると、ちょっと引いてしまうかもしれませんが、実は夫婦の愛情物語です。前に、妻を亡くした夫の本のことが話題になったと思うのですが、これはその逆で、お辛かっただろうと思いますが、でも、湿っぽくなくて前向きです。まだでしたら、お勧めします。
  1. 2012/11/17(土) 21:34:20 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

未亡人読本

面白そうですね。なぜかこの手の本は夫が亡き妻を偲ぶパターンが多いですが、実際はその逆が多いはずですよね。読んでみます!
  1. 2012/11/20(火) 18:35:11 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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まとめ【受章リポート第二弾】

さて、去る11月13日、午前中に褒章の伝達式を終えた私たちは、昼食後、他の受章者の方々と一緒にバス3台
  1. 2012/11/17(土) 23:27:18 |
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