川の光日記

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ニホンカワウソを悼む



ニホンカワウソが、ついに絶滅してしまったらしい。
最後に目撃されたのが1979年というから、実はもうかなり前に、日本から姿を消していたのかもしれない。
なんだかとても悲しい気持ちになる。リアルなカワウソは、動物園で何回か見たことがあるだけだが、
『カワウソと暮らす』という本を読んで以来、この動物の熱烈なファンだったからだ。

さっそく書棚から探し出して、読み返してみた(絶版だが、アマゾンなどで古本を入手可能)。

舞台は1950年代末のスコットランド。作者のギャビン・マックスウェルはフリーランスのジャーナリストで、
取材で訪れた西イラクで一匹のカワウソと出会い、苦心惨憺してイギリスに連れ帰る。
そしてウエスト・ハイランドの静かな入り江にある一軒家で、「ミジベル」と名付けたそのカワウソと暮らし始める。

いや、そのかわいいこと。そして頭のいいこと。
ミジベルはベッドのシーツにもぐりこみ、飼い主の膝のくぼみで仰向けになって眠り、
毎朝8時20分きっかりに目覚めて、人間を起こしにかかる。
シーツとクロスを器用に剥ぎ取り、枕を外してしまうので、起きないわけにいかない。
朝食(好物のウナギ)をとると、入り江の探索とハンティングに出かける。
捕まえた魚が立派だと見せにくる。大きなカレイを「食べなよ」と持ってきてくれたこともある。

カワウソは犬と違って、何もせずにじっと待っていることができない動物らしく、
眠っていないときは、探索したり狩りをしたり遊んだりしてつねに活動している。

「ときにはピンポン球をくわえて、いかにも用ありげに思い詰めた体で出かけていくことがあり、
一時間後に行ってみれば、滝の下で、球を水中に引っ張り込んではぱっと放し、
追い詰めては跳びかかるといった彼独特のウォーター・ポロに興じていた」

「一度、捜しに行っても見つからないことがあった。
でもすぐに泡だつ滝壺のはじにある黒い水面に、赤い物があるのに目を惹かれた。
よく見ればミジが、真紅のナナカマドの実の一房を片手でしっかり胸の上に掴み、
仰向けになって浮いたまま、ぐっすり眠っていた」
どうやらミジは、きれいな色の花やオブジェが好きらしいのである。

とくに愉快なのが、カワウソに「拭かれる」体験が語られている箇所だ。

「カワウソに『拭かれる』のがどんなことか、私はよく知っている。数えきれないほど幾度も、
私はカワウソに拭かれたことがある。……カワウソは時に応じて海や川や浴槽から台風のごとくあらわれ、
毛皮には半ガロンほどの水を含み、身もすくむばかりの圧倒的な情熱をもってわれわれを拭きにかかる」

当然のことながら、拭いたカワウソはきれいに乾き、拭かれた人間は水浸しになってしまう。

作者は自分は「カワウソ奴隷」「カワウソ狂い」だと言っているが、読んでいるとその気持ちがよくわかる。
彼とミジの天国のような暮らしは、一年しか続かないのだが…。

この愛すべき動物が日本から消えてしまったことが、返す返すも残念でならない。





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  1. 2012/09/03(月) 23:31:31|
  2. 動物の本
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

こんにちは

いつも、楽しく拝見させていただいています。

絶滅種のニュースを聞くたびに心が痛みます。
これ以上かけがえのない命が滅ぼされないよう願います。
そしてツヨシとマモルも自分達の行いを悔い改めてくれますように。
  1. 2012/09/04(火) 12:43:13 |
  2. URL |
  3. 鈴木まゆこ #-
  4. [ 編集 ]

拭かれてみたいです

IZUMIさん、まだまだ日中は暑いですが、お元気にお過ごしですか。
私も、拭かれてみたいですね~。これは、一種の愛情表現(あるいは、仲間意識)なのですか?
そういえば、以前、猫が脱走して汚れて帰って来てお風呂に入れたことがありますが、ぬれねずみのままおずおずと私の膝に乗って来て、その結果、猫は乾いて私がびしょぬれ。その場面を思い出しました(もしかして、動物の本能?)。
人間は、野生動物との距離の取り方がへたくそですね。乱獲もそうですが、可愛がるという感覚で餌などやってしまい、日光のサルや鎌倉のアライグマみたいに被害が出るケースもありますし・・・(反省)。人間のエゴについて、改めて考えさせられました。
でも「川の光2」は、私も、先生が人間を悪いまま終わらせる筈はないと信じております。(←さりげなくプレッシャー?)
そういえば、ハナちゃんとかき氷の画像拝見して、ハナちゃんが思っていたより小型なので、ちょっとびっくりしました。それとも、うちの猫が大型なのか・・・。次回のブログの記事・画像も楽しみにしています。
  1. 2012/09/05(水) 09:20:31 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

拭かれたいですね。

こうやって、地球から毎日
多くの生き物が絶滅して
いってしまう。
毎年、熊がでると射殺…それが嫌で
mixi経由で、熊達に里にこないように
ドングリの実をおく活動をしはじめました。毛皮反対も。ヒグマは草食ではないので、難しいですが。ツキノワグマは絶滅寸前です。
川の光2のように、動物達が助け合う
そんな姿を多く人に読んでもらって
人間のエゴをしってほしいです。
  1. 2012/09/05(水) 13:33:39 |
  2. URL |
  3. らんくす #STZ3qs12
  4. [ 編集 ]

本当に・・・

ニホンカワウソ絶滅のニュースは、私も本当に悲しくなりました。
でも、絶滅したと言われてから発見されたケースもあります。

人知れず誰にも気づかれずにどこかで生きている。
生きていてほしい。

そう願わずにはいられません。
  1. 2012/09/05(水) 23:29:29 |
  2. URL |
  3. まゆろあ #-
  4. [ 編集 ]

カワウソかわいいですよね!

まゆろあさんの言うとおり、どこかでひっそり生きているかもしれませんね。
熊のニュースが報道されるたび、私も心を痛めていたので、らんくすさんが始められたという運動に興味津々です。
ハナちゃんは、そういえば猫としてちょっと小型かもしれません<あきさん
  1. 2012/09/06(木) 12:18:10 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

熊も絶滅してしまう。

http://kumamori.org/

これですね。
簡単に生き物の命を奪わない。
毛皮は生き物の命だと
mixiの方で動き回ってます。
なかなか、理解されにくいですが
過激な運動ばかりではないので
  1. 2012/09/07(金) 14:15:45 |
  2. URL |
  3. らんくす #-
  4. [ 編集 ]

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