川の光日記

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蔦屋書店でミニトーク&サイン会



このところ、なにかと『川の光』関係のニュースがあるので、連日ブログを更新している。
昨日は、代官山の蔦屋書店で、『川の光 外伝』の発売に合わせた
ミニトーク&サイン会が行われたので、同行して取材してきた。

TSUTAYAの「T-SITE」は、昨年のオープン以来話題になっていた大人のための総合カルチャー施設。
すっかり引きこもりと化していた私は今回始めて見てまわることができて、そのお洒落さに驚嘆した。

書店として素晴らしく充実しているだけでなく、映像と音楽のフロアにもコンシェルジュがいて、
かなりマニアックなタイトルも入手できそうな気配。文具コーナーやトラベルデスク、
そして雑誌のバックナンバーなど30000冊の蔵書を誇る居心地のいいラウンジもある。
こんな施設が吉祥寺にあったら、毎日入り浸ってしまいそうだ…。

そんな素敵な書店の一画で行われた『川の光 外伝』のイベントは、
カリスマ書店員として知られ、現在は蔦屋書店・文学部門のシニア・コンシェルジュである
間室道子さんが企画してくださった。30分ほどのミニトークのあとサイン会という流れで、
愛犬の写真を見せてくださる方や、『川の光2』の切り抜き帖持参の方もいて、
夫は「意外に二枚目ですね」などと異例なお褒めのお言葉までいただき、感激していた。

P1030107.jpg

P1030108.jpg

以下、ミニトークの内容をかいつまんでご紹介。

『川の光』は、体験から発想した物語
8年前まで、僕ら夫婦は三鷹市牟礼1丁目の中古の木造一戸建に住んでいました。
この家は玉川上水のすぐ近くにあって、玄関を出て十数メートル歩けば上水の遊歩道に出られたし、
家の裏手は広い栗林でした。
そんな環境にひかれて移り住んだ家だったのですが、実はこの家の敷地は、東京都の「放射5号線」という道路の
建設計画に入っている土地だったんです。むろんそれを知っていて買った家なんですが、
まあこの不況下で、大掛かりな新設道路なんてまず半永久的に実現しまいと思いこんでいました。
ところがこの道路計画が、ある時点以降ついに動き出してしまった。裏の栗林は切り倒されるし、
周囲の家も一軒また一軒と立ち退いて更地になっていく。
仕方がないので、僕たちも道路公団による土地買収に応じて、
現在も住んでいる吉祥寺の家に引っ越すことになりました。
ちょうどそのころ、新聞の連載小説をやらないかというオファーがあった。
そこで、この体験を、川辺に住む小動物を主人公にした物語に投影して書けないかと考えたわけです。
チッチとタータは、実は僕と家内の分身でもあるわけです。

書き出しには、かなり悩みました
ご存じのように、僕がそれまで書いていた小説は『川の光』とはまったく作風が違いますし、
そもそも新聞小説でネズミが主人公なんて前代未聞(笑)で、果たしてOKが出るのか、
提案しながらも半信半疑だったんですけれども、読売新聞の文化部には洒落っ気のある方々がいらして、
「それで行きましょう」ということになった。それでも、第一回の書き出しにはかなり悩みましたね。
この物語をどのように始めればいいのか、迷いに迷いました。普段はパソコンのワープロで書いているのに、
わざわざ原稿用紙に手書きしてみたり、試行錯誤しました。
そのうちに、川辺の草むらにだんだん近寄っていくと、小さな毛のかたまりがふたつ見えてくる…
というあの書き出しが浮かんで、それから後は最後まで楽々と進行しました。
書いている間、これほど楽しかった原稿もない。
おかげさまで読者にもご好評をいただいて、新聞の連載小説としては異例なほどのお便りをいただきました。

続編を書くつもりはなかったんです
『川の光』の連載が終わったときは、これはこれで完結した物語だと思ったので、
続編を書くつもりはありませんでした。
『川の光』は、「だが、わからないものである。やがてタータたちは、三匹で力を合わせてやり遂げた
川を遡る移住の旅とは比べものにならないような、もっともっと凄い、胸躍らせる大冒険に
身を投じることになるのだから。それはしかし、また別の物語だ。」という思わせぶりな一節で終わりますが、
こういうエンディングはまあ言ってみれば、あらゆる物語のお約束みたいなものですから。
ところが、吉祥寺に引っ越してきてから、僕は『新潮』という雑誌で「明治の表象空間」という連載を始めまして、
結局5年がかりの連載になり、その間、明治時代の文献を大量に読み、毎月のように締め切りに苦しむ生活が続いたんです。
この辛気臭い仕事が終わったとき、ほっとするのと同時に、気分転換がしたくなった。
そのときに、『川の光』の続編をまた書かないかというお話をいただいたんですね。
「外伝」の短編を書き始めたのもこのころです。

犬が主要キャラクターの『川の光2』
吉祥寺の家に越してきてから、僕たちはタミーというゴールデンレトリバーを飼い始めました。
それまで僕は完全な猫派で、犬については子供のころ実家で飼われていた秋田犬の記憶があるくらいで、
犬がどういう生き物かよくわかっていなかったんです。ところが実際に一緒に暮らしてみると、
これは実におもしろい動物で、気持ちがあたたかいし、さっぱりしていて単純で、猫みたいな気取りがないし
――猫の気取りは、ご存知の通りそれはそれで本当に魅力的なんですけれども――
ひと言で言うと「いい奴」なんですね。そういうこともあって、『川の光2』にはビス丸とマクダフという、
体の大きさも性格も対照的な二頭の犬が、重要なキャラクターとして登場することになりました。
タミーも登場しますが、彼女は前作と同じく、メインキャラクターというよりは脇役です。
『川の光』のチッチとタータ、スズメのリルとクマタカのキッド、二頭の犬、そしてネズミのマルコの
計七匹の動物たちが、『七人の侍』というか、『荒野の七人』というか、ともかく救援部隊となって、
現在も連載は進行中です。十月末で完結する予定ですので、それまで引き続き応援していただけたら、こんな嬉しいことはありません。



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  1. 2012/07/11(水) 18:17:09|
  2. 日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

マクダフとビス丸が再会できてほんとによかった、などなど毎朝、連載が楽しみで新聞を取りに行っています。連載が終わるのはさびしい、でも、早くみんなの苦労が報われてほしいし、単行本も見たいし。。。ウーン。 蔦やへは行けなかったのに、ブログでお話が聞けてうれしかったです。 いつかマクダフ、ビル丸の〔ご夫妻も)通った遊歩道を渡ってみたいです。
  1. 2012/07/12(木) 08:51:09 |
  2. URL |
  3. mariko #InC0j.vM
  4. [ 編集 ]

こんにちは

残念ながら蔦屋書店に行くことができませんでしたが、
こちらで「川の光」の誕生秘話を知ることができて嬉しいです。

「川の光」シリーズは何度も読み直してみたくなる本です。
  1. 2012/07/12(木) 12:56:54 |
  2. URL |
  3. 鈴木まゆこ #-
  4. [ 編集 ]

ぜひ今度・・・

IZUMIさん、こんにちは。トークショー、大盛況だったようで、本当に良かったですね。先生の人気の程が伺えます。行けなくて残念でしたが、内容、ご紹介いただきありがとうございます。「意外に二枚目」?先生、とっても二枚目ですよ!見た目もそうですが、何といっても中身が(少年ですから!)。
最終講義の時、先生はもう表舞台に出られない心づもりなのかと、ものすごく寂しい気持ちになったのですが、また、読者と触れ合う機会がありそうで、ほっとしました(案外、好きなんですか?人前のトーク(笑))。ちゃんとお行儀よく、後ろの方で静かに聞いていますので、次回はぜひご案内下さいね。
  1. 2012/07/12(木) 14:06:32 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

次の機会にぜひ!

皆様、温かいコメントありがとうございます。
実はこの蔦屋のイベントは、販売促進のため、その場で『外伝』を購入してくださった方のみ参加可能、というシステムだったみたいなので、
すでに買っていただいた方にまた散財していただくのは申し訳ないと思い、あえてブログではお知らせしておりませんでした…
いずれまた、読者の方との交流の機会があると思いますので、そのときはぜひよろしくお願いします!
  1. 2012/07/12(木) 15:58:56 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

「川の光2」も是非とも思わせぶりな言葉で終わらせていただきたいです。
ずっと読み続けていたいけど、でも早くみんなには平穏な生活に戻ってほしい。その両方の願望を叶えるには「川の光3」しかないでしょ?
  1. 2012/07/12(木) 22:19:19 |
  2. URL |
  3. ペペ #-
  4. [ 編集 ]

パリの街が似合う男

IZUMIさん、お元気ですか。私も、「川の光」の世界は、永遠に終わって欲しくないです。
さて、本日、「猫が行方不明」を拝見しました。パリの下町情緒溢れる世界を堪能。上から眺めた町並みも美しかったです。でも、どこか東京の下町と似た雰囲気を感じますね。おばちゃまたちが、いい味を出していますし。主人公の女らしさを出したいけれど、でも、その一方で出したくない(出しきれない)、あの気持ちよく分かります。この前の映画と違って、何となく切ない気持ちになりました。猫ちゃん、そこにいましたか。
映画を見ながら、パリの街に松浦先生が似合う理由が分かったような気がしました。素敵な映画をご紹介いただき、ありがとうございました。また、機会がありましたら、映画紹介よろしくお願いします。
  1. 2012/07/13(金) 16:19:00 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

猫が行方不明

気に入っていただけたみたいで、嬉しいです!
たしかにこの映画に出てくるパリの下町は、東京の下町に通じるものがありますね。
イメージとしては、浅草と高円寺を足して二で割ったような感じでしょうか?
  1. 2012/07/15(日) 00:42:30 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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