川の光日記

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猫映画の名作再見『子猫をお願い』



梅雨寒が折れたての肋骨にしみる週末。
みなさまの温かい励ましの言葉を支えに、なんとかサバイバルしている。
経験者の方が語る通り、座っても、立っても、買い物袋を持っても痛い。
そして寝た状態から起き上がるのがこれまた一苦労。
長時間かけてずるずる…と寝台の下に滑り落ちるか、
「きええええーっ!」と叫びながら一気に体を起こすか、苦しい二者択一となる。

夫によると「肋骨とは、言うなれば人体における鎧であり、
それが破損されることで、独特のヴァルネラビリティ感覚が生じるのではないか」とのこと。
そんなふうに分析されると、一瞬、なにやらカッコいい状態に身を置いているような気になるが、
当事者としては、ただひたすら散文的に痛いだけ、ともいえる…。

ともかく5日目を迎えて、やっと少し痛みも和らぎ、「一見ふつうの人間」らしく動けるようになってきた。
しかしまだかたつむりのようにしか歩けず、遠出はむずかしい。
当分ひきこもり生活が続きそうなので、これを機に温故知新、家で昔の名作映画を見直すことにした。

このところ犬の映画はけっこう見てブログで紹介もしてきたので、次は猫の名作に目を向けてみようと思い立ち、
さっそくDVDで再見したのがこれ。『子猫をお願い』である。

koneko.png

ハナちゃんの意見では、ダメな猫映画には以下のような特徴があるという。

・猫のかわいさに依存し、「猫を出しときゃ女性客が見るだろう」と高をくくっている。
・物語上、猫をかわいがっているように見えて、実は虐待している。
 猫をタクシーに乗せて連れ回す、リヤカーに積んでレンタルして回る、など。
・設定が安易。「鬼部長がある雨の晩、子猫を拾ってから人生が変わった」というたぐい。

一方、私が思うに、良い猫映画では、猫の出番は意外に少ない。
しっかりした人間のドラマがあって、要所要所に猫が登場する、くらいのバランスが成功の秘訣ではないかと思う。

その金字塔ともいえるのが、この2001年の韓国映画。
10年ぶりに見直して、またしても涙してしまった。

舞台は韓国の仁川。ソウルから1時間ほどの郊外のベッドタウンで、国際空港を擁する港町である。
映画は、この町の商業高校を卒業した5人の女の子たちのその後を追いかけていく。

コネでソウルの証券会社に入社したものの、大卒中心の職場でコピーとりと雑用しかやらせてもらえないヘジュ。
実家のサウナを手伝いながら、家族に違和感を感じ、「ここではないどこか」を夢見るテヒ。
両親を亡くし、貧困のなか病気がちの祖父母とバラックで暮らすテキスタイルデザイナー志望のジヨン。
路上でアクセサリーを売って生計を立てる双子のピリュとオンジュ。

卒業してまだ1年足らず。なのに、住む世界が違ってしまったせいなのか、
久しぶりに集まっても、以前のようにはしっくりいかない。
そんな彼女たちの間を、風前のともしびとなった友情を象徴するかのように、一匹の拾われた猫が行き来する。

作品の背景には、90年代末のアジア経済危機がある。5人のうち、まともな職につけたのは一人だけ。
露天商の双子は中国系という設定で、家族の支えがあるのか、それほど不幸そうには見えないが、
孤児のジヨンは、友達に借金して信用をなくし、新空港の食堂にやっとアルバイトの口を見つける。

寒々とした港町を、風に吹かれながらコートの襟をたてて小走りになる5人の姿や
バラック街の路地を歩くテヒとジヨンをそっと見守るように俯瞰で捉えたショットがすばらしい。
韓国映画につきもののサービス過剰とは無縁な、実に清潔で繊細な作品なのだ。
女性監督によるインディーズ作品だからこそ描き出せた世界かもしれない。

あの蓮實重彦先生が絶賛したのも納得のこの映画。未見の方には、強力におすすめしたい。
テヒを演じるペ・ドゥナがどん底に落ちてしまったジヨンに会いに行く場面は、涙腺が決壊すること必至だ。


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  1. 2012/06/16(土) 21:36:44|
  2. 動物の映画
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:6
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コメント

お怪我の具合は如何ですか。

IZUMIさん、こんにちは。具合は如何ですか。どうぞ、お大事になさって下さいね。日常生活でも、色々ご不便があるようで大変ですね。出来れば、何かお手伝いしたいですが・・・。それにしても、IZUMIさんのポジティブシンキングには、頭が下がります。
「鬼部長がある雨の晩、子猫を拾ってから人生が変わった」→多分、この映画、私観ていると思います。結構、涙ぐんだりして・・・。駄目ですね。すみません。『子猫をお願い』、ぜひ拝見したいと思います。
週末、図書館に行き、土曜日の分まで新聞を読んで来ました。いよいよツリーに上るのですね。従業員用の通路なんて、先生もマニアックな事項をよくご存じなんですね。ただ、アルコール中毒克服の方に、今の私の関心は向いていたりします・・・。
  1. 2012/06/18(月) 10:57:48 |
  2. URL |
  3. あき #j46Ak8tk
  4. [ 編集 ]

お怪我の具合、いかがですか?

無理してはダメですよ。
医療従事者の私が言うのも、なんですが…無理すると、あとあと後遺症が
残ります。わたしもですが。
タミーちゃんの心のためにも
無理禁物です。
話かわりますが、うちの一匹のハムスターがスカイツリーより、高い高い空に旅立ってしまいました。
人間だと、80歳。たかがハムスターと
いう人もいるけど、私には大事な子供のような存在。最後の一時間は、私の胸に抱いて…さみしく旅立ってほしくなくて。。最後の鼓動、呼吸が止まる瞬間まで一緒にいました。
そして、今日、代々のハムスターが眠る山に、三途の川の代金の餌と、彼が
大好きだった、餌をいっぱいいれて
土に還しました。呼べは出てくる
ハムスターだって、ちゃんと人間の言葉を理解してくれます。
チッチ、タータが東京タワーに辿り着くまで、そばにいてほしかったけど…彼。ぷーすけは少し早く、ハムスターランドへ旅立ちました。
私が死んだら、生前一緒にいた
犬、ねこ、ハムスターに会えるだろうか?そんなことを夢にみながら
川の光2の二匹に夢託してます。
  1. 2012/06/18(月) 20:53:09 |
  2. URL |
  3. らんくす #S3oVS.8M
  4. [ 編集 ]

お寂しいですね

>らんくすさん
 お気持ちお察し申し上げます。長年一緒に暮らしていた家族が亡くなるのは、本当に辛いですよね。一日も早く悲しみが癒えますようお祈りしています。らんくすさんも、お体を大事になさって下さい。
 私も、川の光2を図書館で読むことが楽しみで、何よりの心の支えになっております。
  1. 2012/06/18(月) 22:37:40 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

あきさん、ありがとうございます。

たつた二年しか、寿命かわない
ハムスター達、分からない方は
ただのネズミでしたしょう
私の食べたい食事は制限されているため、よくわけあってました、
今夜はとても、悲しいです。
  1. 2012/06/19(火) 00:35:28 |
  2. URL |
  3. らんくす #S3oVS.8M
  4. [ 編集 ]

Re: お怪我の具合は如何ですか。

ご心配いただいて恐縮です。おかげさまで少しずつ回復してきております。
ブログにも書きましたが、ついに外伝が発売になります。
あきさんのリクエストが実現して、夫のイラストも載っていますのでぜひご一読を!
  1. 2012/06/19(火) 09:54:53 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

ご冥福をお祈りします

らんくすさん、ぷーすけさん、残念でしたね。
でも80歳まで生きて、最後まで抱いてもらって、とても幸福なハムスターさんだったのではないでしょうか。
生前に一緒だった動物たちが出迎えてくれたら、死ぬのもそんなに悪いことじゃなさそうだ、と時々私も夢想したりします。
  1. 2012/06/19(火) 10:00:01 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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梅雨寒が折れたての肋骨にしみる週末。みなさまの温かい励ましの言葉を支えに、なんとかサバイバルしている。経験者の方が語る通り、座っても、立っても、買い物袋を持っても痛い。...
  1. 2012/06/21(木) 00:09:27 |
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