川の光日記

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犬本の最高峰『マールのドア』

『川の光2』が、渋谷のネズミたちから再びビス丸のエピソードに戻った。
ジャーマンシェパードのビス丸は、文字通り後ろ髪を引かれる思いで、
自分を救ってくれた少年に別れを告げて、救援部隊に合流しようとしている。
ビス丸はこの少年に、これまで誰にも感じたことがないような強い愛情を抱き始めているようだ。

犬を飼い始めてわかったことだが、犬という動物は、人間ととても深い関係を結ぶことができる。
それは他のどんな動物とも違う、特別な関係だ。
犬は人間を観察し、視線を追い、指さす方向に注意を向け、人間と気持ちを通わせる。
飼い主が喜ぶと、犬もうれしくなる。そして飼い主を喜ばせようとして、いろんなことを学習していく。

テッド・ケラソテの『マールのドア 大自然で暮らしたぼくと犬』(河出書房新社)は、
そんな犬と人間の深い関係を記録した、犬をめぐるノンフィクションの最高傑作である。
これまでフィクション、ノンフィクションを問わず、犬の本をいろいろ読んできたけれど、
これを超える作品にはまだ出会えていないように思う。



ネイチャーライターである著者は、ラフティングのために訪れたユタ州の川で、黄金色の迷い犬と出会う。
生後10~11か月、まだ成犬になっていない犬は、おそらくラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックスで、
著者に会うまではひとりで過酷な砂漠での生活を生き抜いてきたらしい。
著者は彼に「マール」という名前を与え、ワイオミングの大自然のなかで一緒に暮らし始める。
家には犬用のドアをつけ、マールはそこを自由に出入りして、近隣の村で「犬の村長さん」と呼ばれるようになる。
狩り、スキー、登山など、どこにでもマールはついてきて、飼い主と犬は深い絆で結ばれていく。
マールの考えは人間の言葉で表現されるが、単なる擬人化を超えて、
著者が本能的に理解した犬の気持ちを、ダイレクトに言葉に置き換えた感じだ。

動物学者のテンプル・グランディンは、犬が幸福に暮らすためには
飼い主がいて、自由に野外で過ごせるような生活が望ましいと言っている。
簡単なようだが、たとえば現代の日本で可能かどうか考えてみると、実現はかなり難しい。
それを100%実現しているのが、この本の著者と飼い犬のマールなのだ。

年齢を重ねるにつれて、マールは体のあちこちに不具合をかかえるようになり、14歳で天寿を全うする。
そのいきさつを描いた最後の数十ページは涙なしには読めないのだが、
読後に残るのは、大自然のなか自由に駆け回り、飼い主に変わらぬ愛情を注ぐ、賢く美しい犬の姿だ。

タミーとは、一度だけ、一緒に山でキャンプをしたことがあるのだが、
誰に言われたわけでもないのにテントの周りで見張りを始めたりして、すっかりりりしい犬に変身していた。
最近はメタボ疑惑犬だが、活を入れるためにも、またアウトドアに挑戦したいものである。

4gatsu04
「ぼく、山歩きはとくいだよ!」



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  1. 2012/05/14(月) 23:33:21|
  2. 動物の本
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:4
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コメント

こん

ここ数日、毎朝 涙をこぼしながら読ませていただいています。 
ビス丸が愛おしくてなりません。

「マールのドア」、探して読んでみたいと思います。
以前、ゴールデンと生活をしていた時に、一度でいいから 川遊びに連れて行ってあげたいと思っていましたが、結局連れて行けずじまいで後悔が残っています。
もっと大自然の中で駆けまわらせてあげたかったです。
  1. 2012/05/15(火) 12:24:38 |
  2. URL |
  3. 鈴木まゆこ #-
  4. [ 編集 ]

図書館に行きました

IZUMIさん、お元気ですか。きょうは、はっきりしないお天気ですね。図書館で新聞を読んで来ました。運良く今日の分があり、ようやく皆さんに追い付きました。ビス丸は、直樹君との別れの時を察し落ち込んでいたのですね。切なくなりました。農業、いいですね。ビス丸と一緒に、りんごを育てる日が来ればいいのにと思いました。今日は、文芸誌の新人評も読んで来ました。先生の評は、いつも気持ちいいです。本当に「ゆるぎない」なと感じます。思えば、先生のゆるぎなさに惹かれ、ファンになったような気がします。3歩下がって、黙ってついて行きたいです。先生って、ものすごく男らしいですよね。甘えん坊の弟を3人育てた(?)反動なのか、そういう強くてゆるぎない男性に憧れます。でも、田中麗奈さんのファンだったんですか?ちょっとそれは・・・(焼餅?)。ワンちゃんって、賢いですね。うちの猫は、「あっち」と指さしても、ずっと指の方を見ています。地震の時も、真っ先に逃げました(笑)。
  1. 2012/05/15(火) 14:53:54 |
  2. URL |
  3. あき #XcHMMwdw
  4. [ 編集 ]

直樹君の病に近いので

私の場合は、直樹君より悪化した腎不全ですが…ビス丸がいたら
きっと、病気の辛さも乗り越えられるかも。仕事はしていますが
自宅では寝たきり。偽チッチとタータ。(チビとぷーすけ)このこ達がいるだけでも病気と戦う力になります。
タミー救出したら、ビス丸直樹君の所にいけないのかな。毎朝の川の光2を読むことが第二の私の生きる糧です。
  1. 2012/05/15(火) 20:28:53 |
  2. URL |
  3. らんくす #-
  4. [ 編集 ]

どうなるんでしょう、ビス丸と直樹

皆様、ビス丸へのご声援ありがとうございます。

犬が置手紙を書けたら、ビス丸も「また絶対戻ってくるからね」とメッセージを送れたのかもしれませんが…。

鈴木さん、『マールのドア』は本当にいいですよ。翻訳もこなれているし、ぜひ読んでみてください。私のオールタイムベスト犬本です。

あきさんの猫のエピソードに、思わず微笑してしまいました。
ハナちゃんも真っ先に逃げるような気が。

らんくすさん、直樹に近いご病気とは…どうかお大事になさってください。
  1. 2012/05/16(水) 22:58:35 |
  2. URL |
  3. IZUMI #-
  4. [ 編集 ]

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