川の光日記

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6月の終わりに



それにしても、大変な一か月だった。
肋骨を二本折り(完治までもう少しかかりそう)、パソコンは悪質なウィルスに感染し(半日かけてなんとか除去)、
愛用のiPod touchまで発狂(やむなく写真も撮れる新バージョンに買い替え)。
こういうときは無理をせず、ツキが戻るのを待つしかない。

●『川の光2』では、マクダフが柄の悪いハクビシンに絡まれている。
ハクビシンは明治時代に日本に輸入された外来種で、最近は都内各所に出没し、電線の上を綱渡りなどして
都民をびっくりさせているらしいが、なんと私も、昨日の深夜、それらしき鳴き声を庭で聞いてしまった。
「ケケケケケ、キキキキキ」という不安を誘う金属的な鳴き声で、YouTubeにアップされている音声にそっくりだった。
近いうちにお目にかかれるかもしれない。実際の彼らは、果実や草を主食とするおとなしい夜行性の動物で、
『川の光2』のように「このおっさん、マジうぜえ」などという話し方はしないはずだが…。

●ハナちゃんは最近、「パンダ妊娠か?」とのニュースが大々的に報じられて
「また人間たちのパンダ騒ぎが始まった…」とやや苦々しい気持ちでいたらしいが、
子パンダの名前が「センセン」「カクカク」になるかもしれないと聞いて、パンダに同情を禁じ得なかったそうである。

●タミーは、読売新聞に取材される名誉に浴したうえ、「おとなしく取材されていい子」などと
皆さんに褒められて、有頂天になっている。あまりいい気ににならないよう、目を光らせなければ…。

●いっぽう夫は、『文學界』で次号から連載が始まるエッセイの第一回の締切と
朝日新聞の文芸時評の締切が重なったうえ、『川の光2』のストックも尽きかけるという悲惨な状況に陥り、
例の「生まれてこなければよかった…」を連発していたのだが、なんとか危機を脱した。
その後は気が抜けてしまったかのように、ネットでAKB48の情報を収集している。

「柏木由紀ちゃんは『バナマヨパン』という、食パンの上にバナナを乗せてマヨネーズをかけたものが好物なんだって」
「へー」(←AKBにまるで関心なし)
「ゆきりんの握手会になんとか行けないものかと…。しかし彼女は『腹黒』だと言われていてねえ」
「はらぐろ…?」
「ゆきりんはテレビで天気予報をやってるんだけど、本心ではお天気なんかどうでもいいんだって」
「はー…」
「でもいつのまにか、ウィキペディアからその記述が削除されちゃったみたいなの。
あれはやはり事務所によるイメージ戦略の変更の結果なのかなあ。しかし僕の思うに…」
「あのね、私思うんだけど」
「?」
「ゆきりんについて調べてる時間を、『川の光2』の執筆やいろんな連載の下調べに当てたほうが、
いろんなことがうまく運ぶんじゃ?」
「うー」(←急に元気がなくなる)
「『明治の表象空間』を本にする作業にも、そろそろ本腰を入れないといけないのでは?」
「うう…」
「そういえば、畢生の大作の長編はどうなったんだっけ?」
「ううう~」

夫はやおらダンゴムシのように背中を丸め、外界からの刺激を遮断して動かなくなってしまった。
試しにツンツンつついてみたが、反応がない。

そんなこんなで過ぎていく6月…
しかし、つまりは今年も半分終わりではないか! こんなことでいいのか! まあいいか…(脱力)

P1030082.jpg
↑最近この箱がなぜかお気に入り。




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  1. 2012/06/29(金) 14:24:54|
  2. 川の光
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タミー、取材される



こんにちは、タミーです。
きょうはぼく、読売新聞の記者のひとに取材されちゃったんだよ!

『川の光 外伝』が刊行されたので、7月上旬の夕刊で、
『川の光』の世界をあらためて紹介する特集記事を掲載してくれるんだ。
そしてその記事のなかに、ぼくのコーナーもあるんだって。

P1030061.jpg

↑ぼくはすっかりうれしくなって、ぼくの数すくない芸のひとつ
「ごろん」を披露して、こ~んなポーズもしちゃった。

P1030075.jpg

取材に協力したごほうびに、このまえ『川の光』のアニメ―ションをプロデュースしてくれた安斎さんが
おみやげにくださった「はりねずみクッキー」をひとかけ、もらったよ。
これ、バターのあじがして、すごくおいしいの。
ひとかけといわず、ぜんぶくれればいいのにね。

P1030051.jpg

ああ、クッキーはもらえるし、取材ってたのしいなあ。
みんな、7月上旬(予定では第二週の月曜日)の読売新聞の夕刊をみてみてね!

  1. 2012/06/26(火) 17:16:17|
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猫の日曜日



6月にしては涼しい、曇り時々晴れの朝。
ハナちゃんはいつものように新聞に目を通してから、陽だまりで丸くなり、とりとめのない思いにふける。

それにしても、人間とはつくづく不可解な生き物だ、とハナちゃんは思う。
地震と津波で大事故を起こしたばかりなのに原発を再稼働させる。
南極から大量のペンギンを拉致してきては水族館に監禁する。
「ダイエット」と称して謎のテープで体をぐるぐる巻きにする。

身近なところでは、犬に引きずられて電信柱にぶつかったり、
締切は前々から設定されているのに直前になって慌てふためいて
毎月のように「生まれてこなければよかった…」と青い顔をしている人間もいる。

最近『独立国家のつくりかた』という本が話題になっていて
路上生活者をお手本にした“お金を使わないDIY的な生き方”がもてはやされているようだが、
そんな生き方なら、猫たちがとっくに実践しているではないか。

たとえば、この段ボールハウスのコストは0円だし

P1020387.jpg

このカゴだって、立派な住居になる(ちょっと狭いけど)

005.jpg

そもそも猫は、一匹一匹が生まれながらにして独立国家みたいなものだから、
全員が「新政府初代内閣総理大臣」を名乗ってもいいのではないだろうか?

その場合「総理大臣」より「書記長」のほうがなんとなくカッコいいから
私は「ハナ書記長」と名乗ることにしようかしら…

そんなことを考えながら家のあちこちを転々としているうちに、
いつのまにか本格的な眠りへと落ちていくハナちゃんだった…。

P1020273.jpg

ちなみに、いよいよ明日発売の『川の光 外伝』にはハナちゃんも登場します!(母より)

  1. 2012/06/24(日) 22:52:53|
  2. ハナちゃん
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肋骨日記



庭のフェイジョアが赤とピンクのツートンカラーの不思議な花を咲かせている。

この南米原産の植物は以前、小さな鉢を買ってきて植えたら、いつのまにか無気味なまでに成長し、
いまでは他の植物を押しのけて庭の一角を占拠するに至っている。
よく見ると、この木だけではなく、雑草を含むさまざまな植物がのびのびと繁茂して、
庭がなんだか大変な状況になっているようだ。
しかし、肋骨を負傷したいまの私には、情けないことに、かがみこんで雑草を抜くとか、
手を伸ばして枝を切るといった、庭仕事の基本動作がこなせないのだった…。

犬の手を借りたいと思っても、タミーの関心は「地面に穴を掘ってボールを埋めてまた取り出す」
という遊びに集中していて、手伝ってくれそうもない。

P1020853.jpg
ぼく、穴掘りはとくいだよ!

庭のみならず、家の中もカオス化が進行している。
掃除の小回りがきかないだけでなく、先日、仕事場を取材された夫が、泥縄式に自分の部屋を片付け、
本を大量に運び入れたために、一時は整理されていた書庫のエントロピーがまたしても増大しているのだ。
いまの私に、書籍のような重いものを持ち上げて移動させるのが不可能なのは言うまでもない。

猫の手を借りたいと思っても、猫は判ってくれない。

P1020510.jpg
散らかっているほうが落ち着く派。

夫はといえば、巨大なオットセイのようにソファに気持ち良さそうに横たわって本を読んでいる。
そして首だけをこちらに向けて言う。「ごろごろできないなんて、本当に可哀想だね~」

そうなのだ。背中をソファに預けてラクにするとか、腰をずらした“仙骨座り”でDVDを見る、
など、これまで得意技だった姿勢も、私には禁じられているのだ…。
なにしろ、笑うだけで激しく骨が傷む。そしてこういうときに限って、何でもないことがおかしくてたまらない。
たとえば、今朝の新聞に折り込まれていた宅配寿司の広告のコピー。
「大トロがお家にやってくる」

なぜこんなコピーで脇腹をかばいながら笑い泣きしなければならないのか。
そして夫が追い打ちをかけて私を苦しめる。「大トロさんたちは、泳いでお家に来るのかな~?」
本当にやめていただきたい。
小沢一郎の物真似をするのも、なんとかやめていただけないものか(←けっこう似ている)

そんななか、ネットで発見して心を慰められたのが、高樹のぶ子さんによるこの書評。

今週の本棚:高樹のぶ子・評 『悲惨すぎる家なき子の死』=中原昌也・著
http://mainichi.jp/feature/news/20120617ddm015070028000c.html

「評者は中原昌也作品の良き読者ではない。三島由紀夫賞を受賞したとき猛反対した」で始まる
この文章を読み進めると、なんと高樹先生は現在、私と同じ境遇であることがわかる。

「折しも自分の不注意で肋骨(ろっこつ)を3本折った。固定ベルトで胸部をきつく締め付けると
呼吸量が三分の二に落ち、その分脳の酸素も不足し、痛み止めのロキソニンは理知の覚醒を妨げる。
意識の一部に雲がかかり、まさに中原昌也を読むには絶好のコンディションである」

以下、この本に収録された短編について「いずれも大して面白くない」と言いながら
「これらを書く作者は異常に面白かった」と述べていたり、
「異端であり続けることは困難だが、まずは異端として出発出来た人間は、それだけで幸福だ」で締めくくられていたり、
全体に褒めているのか批判しているのかよく判らないアンビヴァレンスを湛えた、大変おもしろい書評であった。
何よりも、筆者が肋骨骨折者であるということに、限りないシンパシーを感じる。

ああ早く治癒して、ソファでごろごろしたいものだ。
その結果、家も庭もカオスなまま、なんてことにならないといいのだが…。



  1. 2012/06/21(木) 11:13:11|
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『川の光 外伝』がついに発売!



何かするたびに「あちちちち」「いてててて」を連発しながらも
なんとか日常生活をこなせるようになってきた今日この頃、久しぶりに嬉しいニュースが。
中央公論社の打田さんが、6月25日発売の『川の光 外伝』の見本刷を持ってきてくださった。

装丁は最初の『川の光』と同じく中島かほるさん。挿画はもちろん島津和子さん。
「夜のイメージでいきたい」という中島さんの提案で、深みのあるブルーや紫をベースに
月の光を思わせる黄色がアクセントに使われている。

『中央公論』2010年12月号~2012年3月号に3か月に一度のペースで掲載された
「犬の木のしたで」「グレンはなぜ遅れたか」「孤独な炎」「キセキ」
「緋色の塔の恐怖」「リクル・ルパッハの祭り」の6篇のほか、
夫が外伝を書き始めるきっかけになった「月の光」(『群像』2008年1月号掲載)も収録。

タミー、チッチとタータが大活躍するほか、図書館ネズミのグレン、猫のブルーなど
『川の光』シリーズの読者にはおなじみの動物たちが登場する。
『川の光2』がハラハラドキドキの冒険活劇だとしたら、外伝の物語はよりファンタジー色が強くて、
一編一編、少しずつ異なるタッチで描かれている。
簡単なイントロダクションがついているので、シリーズの読者はもちろん、そうでない方でも
すぐに物語の世界に入っていけるのではないかと思う。

P1030041.jpg
なんと、あとがきを書いたのはタミー。夫の手描きのタミーのイラストも添えられている。

6月25日(月)には全国の書店に並ぶ予定。大きな書店にはその数日前に入荷する可能性もあるとのこと。



アマゾンでも絶賛予約受付中。
みんな、ぜひよんでね! とタミーからもお願い。

P1030033.jpg
ぼくが書いた詩ものってるよ!


  1. 2012/06/19(火) 09:44:13|
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猫映画の名作再見『子猫をお願い』



梅雨寒が折れたての肋骨にしみる週末。
みなさまの温かい励ましの言葉を支えに、なんとかサバイバルしている。
経験者の方が語る通り、座っても、立っても、買い物袋を持っても痛い。
そして寝た状態から起き上がるのがこれまた一苦労。
長時間かけてずるずる…と寝台の下に滑り落ちるか、
「きええええーっ!」と叫びながら一気に体を起こすか、苦しい二者択一となる。

夫によると「肋骨とは、言うなれば人体における鎧であり、
それが破損されることで、独特のヴァルネラビリティ感覚が生じるのではないか」とのこと。
そんなふうに分析されると、一瞬、なにやらカッコいい状態に身を置いているような気になるが、
当事者としては、ただひたすら散文的に痛いだけ、ともいえる…。

ともかく5日目を迎えて、やっと少し痛みも和らぎ、「一見ふつうの人間」らしく動けるようになってきた。
しかしまだかたつむりのようにしか歩けず、遠出はむずかしい。
当分ひきこもり生活が続きそうなので、これを機に温故知新、家で昔の名作映画を見直すことにした。

このところ犬の映画はけっこう見てブログで紹介もしてきたので、次は猫の名作に目を向けてみようと思い立ち、
さっそくDVDで再見したのがこれ。『子猫をお願い』である。

koneko.png

ハナちゃんの意見では、ダメな猫映画には以下のような特徴があるという。

・猫のかわいさに依存し、「猫を出しときゃ女性客が見るだろう」と高をくくっている。
・物語上、猫をかわいがっているように見えて、実は虐待している。
 猫をタクシーに乗せて連れ回す、リヤカーに積んでレンタルして回る、など。
・設定が安易。「鬼部長がある雨の晩、子猫を拾ってから人生が変わった」というたぐい。

一方、私が思うに、良い猫映画では、猫の出番は意外に少ない。
しっかりした人間のドラマがあって、要所要所に猫が登場する、くらいのバランスが成功の秘訣ではないかと思う。

その金字塔ともいえるのが、この2001年の韓国映画。
10年ぶりに見直して、またしても涙してしまった。

舞台は韓国の仁川。ソウルから1時間ほどの郊外のベッドタウンで、国際空港を擁する港町である。
映画は、この町の商業高校を卒業した5人の女の子たちのその後を追いかけていく。

コネでソウルの証券会社に入社したものの、大卒中心の職場でコピーとりと雑用しかやらせてもらえないヘジュ。
実家のサウナを手伝いながら、家族に違和感を感じ、「ここではないどこか」を夢見るテヒ。
両親を亡くし、貧困のなか病気がちの祖父母とバラックで暮らすテキスタイルデザイナー志望のジヨン。
路上でアクセサリーを売って生計を立てる双子のピリュとオンジュ。

卒業してまだ1年足らず。なのに、住む世界が違ってしまったせいなのか、
久しぶりに集まっても、以前のようにはしっくりいかない。
そんな彼女たちの間を、風前のともしびとなった友情を象徴するかのように、一匹の拾われた猫が行き来する。

作品の背景には、90年代末のアジア経済危機がある。5人のうち、まともな職につけたのは一人だけ。
露天商の双子は中国系という設定で、家族の支えがあるのか、それほど不幸そうには見えないが、
孤児のジヨンは、友達に借金して信用をなくし、新空港の食堂にやっとアルバイトの口を見つける。

寒々とした港町を、風に吹かれながらコートの襟をたてて小走りになる5人の姿や
バラック街の路地を歩くテヒとジヨンをそっと見守るように俯瞰で捉えたショットがすばらしい。
韓国映画につきもののサービス過剰とは無縁な、実に清潔で繊細な作品なのだ。
女性監督によるインディーズ作品だからこそ描き出せた世界かもしれない。

あの蓮實重彦先生が絶賛したのも納得のこの映画。未見の方には、強力におすすめしたい。
テヒを演じるペ・ドゥナがどん底に落ちてしまったジヨンに会いに行く場面は、涙腺が決壊すること必至だ。


  1. 2012/06/16(土) 21:36:44|
  2. 動物の映画
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散歩中に負傷

今朝、タミーを連れて散歩に出たら、電柱に激突した。
…と書くとあまりにも唐突で精神に失調をきたした人みたいだが、激突に至る過程は以下のとおり。

公園からの帰り道、尾っぽを「?」マーク状にくねらせながら前方を歩く一匹のアメショー。
一方、公道でハナちゃん以外の猫を見かけると、理性がふっとんでしまうタミー。
それを知っている私は「タミー、追いかけちゃダメ!」とクギをさしていた…はずだったのだが…

チラリと後方に誘うような視線を投げかけた猫が、左手のアパートの通路にさっと逃げ込み、
我慢ができなくなったタミーが猛ダッシュで追いかけ、
リードを握りしめたままの私はその勢いでアパート脇の電柱に叩きつけられる。この間約3秒。

気が付いたら地面に転がっていて、ご近所の方が「大丈夫ですか?」と駆け寄って心配してくださった。

その瞬間、私の頭になぜか浮かんだのは、今日の読売新聞の俳壇で紹介されていた
采女勝子さんのあまりにもありがたい作品。

ビス丸やタータやチッチが気がかりだ五時起きして読む朝刊小説

這うようにして帰宅し、安静にしていたものの、次第に右わき腹の痛みが強くなってきて、近所の病院へ。
なんと「肋骨を骨折している」とのことで、「バストバンド」なるものをギュウギュウに締められて帰ってきた。
肋骨の骨折は、これを締めて痛み止めを飲むしか直す方法がないという。

不思議なもので、椅子に座ってPCに向かっているぶんにはあまり痛みを感じない。
ところが立ち上がって歩こうと思うと激痛が走る…。

そんなわけで、今夜は夫がカレーを作ってくれた。

梅雨寒や手製のカレー沁みる肋骨 泉

肋骨骨折の経験があるかた、ぜひ心構えを教えてください…。

 ↓深く反省中。

  1. 2012/06/12(火) 20:13:01|
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タミーからお知らせ



こんにちは、タミーです。

ついに関東地方も「つゆいり」しちゃったね。
「つゆいり」すると、さんぽのときレインコートをきなきゃならないの。
あのレインコートというのが、ごわごわしてきゅうくつで、ぼくはどうにも苦手なんだ。

ところで、お父さんが最近、産経新聞に書いたすてきな文章があるので、ご紹介します。
ネットでもよめるよ。
ぼくのとても美人に撮れた写真も載ってるの。

【新・仕事の周辺】 松浦寿輝(作家) 人生の「客」になる
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120610/bks12061008470005-n1.htm

大学をやめてからのぼくたちとの暮らしについて書いてるんだけど、
こういう風に書かれると、なんだかすごくいいかんじだね。
お母さんは「さすがに俳味がある」っていってたよ。

あ、また雨がふってきちゃった…。

なんだかねむい、ねむいよ…。

P1030030.jpg

梅雨の夜の犬・猫・にんげん通ひあふ (加藤楸邨)

  1. 2012/06/10(日) 17:12:13|
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猫のいる俳句



一昨日、犬の俳句について書いたら、夫に意見されてしまった。

「しょうがないねきみは。あんな駄句を作っちゃって」
「まあたしかに、出来のいい句とはいえないけどね…」
「このブログ、畏れ多いことに小澤實宗匠も読んでくださってるらしいのに、あれじゃあ…。
大体あれだね、きみは人間に俳味ってものがないね」
「はいみ…」
「俳味を涵養しなくちゃ」
「それ、いったいどうやったら涵養できるのよ」
「日頃から自分の周りを細やかに観察して、メモでもとっておくとかさ」
「そうねえ、旅に行っても写真を撮るだけで終わっちゃうことが多いし…」
「とにかく一木一草に目をとめてだね…」
「わかった、いちもくいっそうだね!」(←よくわかっていない)
「まあ、僕はやらないけどね、面倒だから」

私が夫を「小言幸兵衛」と呼びたくなるのはこんなときである。

ところで、ハナちゃんの俳句の好みはどんなものであろうか。
興味をもって取材してみた。

以下、ハナちゃんがあげた二句。共に加藤楸邨作。


猫と生れ人間と生れ露に歩す

猫が目あげて暮れたる枯野より帰る


猫のクールで渋い側面に光をあてた句がお好みらしい。
なお、私がしみじみ共感する猫の句はこれ。

雑炊や猫に孤独というものなし (西東三鬼)

猫というよりむしろ人間についての句かもしれないのだが。
そんなわけで、俳味を備えた人間になるための修業はつづく…。

  1. 2012/06/08(金) 10:45:48|
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犬のいる俳句



最近入手した『犬たちの歳時記』(笠井俊彌著/平凡社)の「夏」の部を眺めていたら、こんな句を発見した。

緑陰やリラと呼ばれて行ける犬  中村汀女 (昭和十年夏『汀女句集』)

場所は都会の手入れが行き届いたこぎれいな公園、犬は白いふわふわした小型犬。
トイプードル、またはポメラニアン。飼い主は女性、それもかなりの富裕層。
この句ではやはり、「リラ」というおしゃれな名前が決定的に重要で、
「緑陰やタミーと呼ばれて行ける犬」ではサマにならないばかりか、なんとなく笑いを誘われてしまう。

ちなみに昭和十年といえば、美濃部達吉の天皇機関説が貴族院で攻撃され、
満州国皇帝溥儀が来日し、永田鉄山少将が相沢三郎中佐に斬殺され、
翌十一年には2.26事件勃発、という緊迫した時期だったはずだが、
こんなに優雅な光景もまだ見られたのだ。

犬の名前といえば、こんな句も。

緑陰へ呼ぶ犬の名はソクラテス  秋元不死男 (昭和二十七年「氷海」十一月号)

『犬たちの歳時記』の作者、笠井さんは、
「このソクラテスが、ダンディ・ディンモント・テリアだったらとても面白いと思います」と書いている。
飼い主にも恬淡として独立心が強く、犬のなかの「哲学者」と呼ばれているのだそうだ。

↓調べてみたら、こんな犬だった。「小さな哲学者」という感じでかわいい。
imagesCABQDAB3.jpg

私はこの句を最初に読んだとき、若干、異なるイメージを思い浮かべた。
ソクラテスは大型の老犬、それも短毛種。ラブラドール・レトリーバー、ワイマラナーなど。
飼い主は男性で、大学の教員、または文筆業。
しかし、この句も「タミー」で置き換えてみると、どうにも恰好がつかないのであった。

ためしに「緑陰」と「名前」でオリジナルを一句。

緑陰でアハ顔する犬の名はタミー  泉 (2012年初夏)

…ダメだ。やっぱり「タミー」は絶望的に俳句の題材になりにくい名前なのだ…。

しかし、ひとつ自慢させていただくと、タミーは実は、川上弘美さんの句集『機嫌のいい犬』のタイトルと、
この句↓にヒントを提供しているのである。

徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう

何年か前、タミーを連れて川上さんと井の頭公園でお花見をご一緒したことがあり、
タミーはうれしくてはしゃぎまわり、人間たちは昼間からたくさんお酒を飲んで、
すっかりいい気持ちになってしまったのだが、この句を読むとあのうららかな春の一日の情景がよみがえってくる。

『機嫌のいい犬』には

たくさんの犬埋めて山眠るなり

という、また趣きの違う犬の句も収録されていたりして、川上さんの小説とは異なる世界を堪能できる。




なお、私がいまのところ一番好きな犬の句はこれ。

天の川後脚を抱き犬ねむる   加藤楸邨 (昭和二十二年『野哭』)

広大な宇宙の片隅の銀河系の、そのまた片隅の惑星で無心に眠る犬…。
またタミーとキャンプに行きたいなあ、という衝動がこみあげてくる句である。









  1. 2012/06/06(水) 19:24:21|
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東京スカイツリー登場



東京タワーで仲間と落ち合うはずだった『川の光2』のチッチとタータが、
地下鉄サムの勘違いで、なんと東京スカイツリーに行ってしまった。

地下鉄の押上駅から地上に出て、スカイツリーを見たチッチは叫ぶ。
「この塔、全然、赤くないじゃない!」

P1020737.jpg
↑たしかに、誰が見ても赤くない。ただいま絶賛開業中。

↓こうして並べてみると、このレトロ感もなかなかいい感じ。
P1020579.jpg

スカイツリー開業直後のこの時期に、こういう形で登場させるとは、我が夫ながら、タイムリーな演出である。
いま話題の“東京右半分”にやってきて、隅田川周辺をさまようはめになってしまったネズミたち…。

春風や 鼠のなめる 隅田川 (小林一茶)

ちなみに『川の光2』連載の終了時期は、10月末日に決定したようだ。
ということは、あと5か月、約150回で完結だが、タミーは本当に救出されるのか。
これでは救出部隊の動物たちは、いつまでたっても出会えないではないか。
そして、このところ消息が語られないマクダフはどうしているのだろうか。

いろいろな意味でスリリングで、目が離せない。

ところで、最近、ご近所のKさんより、
チッチとタータの目撃情報が寄せられたのでご紹介。

DSCF2124.jpg
↑写真に映っているのは一匹だが、必ずもう一匹と一緒に
庭に設置された鳥の餌置き場に食事をしにくるとのこと。
黒い瞳と尾っぽがたまらなくキュートだ。




  1. 2012/06/03(日) 18:51:49|
  2. 川の光
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富士五湖の思い出と『富士日記』

ブログを始めて何よりも嬉しい驚きは、いろんな方が「コメント」という形で、
温かい励ましのお言葉を寄せてくださることだ。

たとえば、一昨日のエントリには「愛情深いブログ」など過分なお言葉をいただいたうえ、
恐れ多くも、武田百合子さんと比較して下さる方すらいて、
気が動転して、どうしたらいいかわからなくなってしまうほどだ。
皆様、本当にありがとうございます。

(しかし、夫はなんとなく釈然としない顔で、「ひょっとして、ブログを読んでいる皆さんは、
捏造されたきみのイメージに惑わされているんじゃないの?」などとブツブツ言っている。
“愛らしい”“愛情深い”などの形容に、なぜか強い違和感を感じているらしい…)

ところで、武田百合子さんといえば『富士日記』。
私が書く文章など、紛れもない天才である百合子さんの足元にも及ばないのは当然だが、
『富士日記』の舞台になった富士五湖のあたりには、タミーを連れて何度か遊びに行ったことがある。



タミー@山中湖。

P1010029.jpg

『富士日記』は、昭和39年から昭和51年まで13年間にわたる富士山麓の別荘での日々の記録だ。
山荘の周辺で暮らす動植物たちの観察、隣人たちとの交流、日々の食事、
家族の動向などが淡々と記録されているだけなのに、読み始めると止まらないほど面白い。
おそらく、百合子さん自身がとてつもなく面白い人である結果、自然にそうなっているのだと思う。
前半にはポコという犬、後半はタマという猫がペットとして登場するのだが、
深い愛情を注ぎながらも依存している感じはなく、適度な距離感が保たれているのがいい。
食べ物は人間の残りものだし、足の裏にケガをするとヨードチンキを塗ってすます。昭和の犬猫なのだ。

昭和42年夏、犬のポコが死んでしまったときの記述。

「不思議そうにものを視つめて首をかしげるときの顔つきをしていた。
トランクを開けて犬をみたとき、私の頭の上の空が真青で。
私はずっと忘れないだろうなあ。犬が死んでいるのをみつけたとき、空が真青で」

このあと、隣人の大岡昇平が「犬が死んでいやな気分だろう。慰めにきてやったぞ」とやってきて
それまで自分が飼った犬たちの死に目の話をして帰る。このくだりもなんだかすごくいいのだ。

P1010074.jpg


現在の富士五胡は、残念ながらこの日記に描かれているような透明度を失ってしまったが、
犬連れOKのホテルやペンション、カフェがたくさんあって、犬飼いには楽しめるエリアになっている。
写真を見ているうちに、久しぶりにまた行きたくなってきた…。

P1010076.jpg
↑遊び疲れて、頭はからっぽ、目は透明になってしまったタミー。




  1. 2012/06/01(金) 22:49:08|
  2. 日記
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プロフィール

IZUMI

Author:IZUMI
賢くて優しかったハナちゃん
(2003~2013)の思い出に



『川の光2 タミーを救え!』
絶賛発売中!

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