川の光日記

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4月の事件簿

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セミ・リタイア生活に入ると、時間に余裕ができるのではないか。
そんな風になんとなく想像していたが、実際はその逆で、一日一日が飛ぶように過ぎ去っていく。
つい先日このブログを始めたと思っていたら、すでに半年が経過してしまった。
そしてもう、4月も終わろうとしている…。

●『川の光2』も、いつのまにか連載の折り返し地点を過ぎた。
4月末現在、「渋竜会」から脱走を企てて失敗したチッチとタータは、新たな試練の時を迎えている。
ヒカリエがオープンして賑わう渋谷の地下で密かに展開するネズミたちのドラマ。
「ヒャッ、ヒャッ、ヒャッ」と笑いながら謎のネックレスを操る婆さんネズミ。
私はこの邪悪な婆さんネズミがなぜか無性に好きになってしまい、
そのうちこの婆さんを主役に外伝を書いてほしいものだと思っている。

●26日に行われた夫の最終講義には、おかげさまで二百人近くの聴講者が詰めかけてくださった。
「時間と近代」というあまりにも大きなテーマをめぐる話だったので、
一時間半の予定を大幅に超過して2時間近くに及んだが、皆さん終始興味深そうに聴き入ってくださった。
ルイス・キャロル、ダーウィン、ジュール・ヴェルヌ、ニーチェ、クロソウスキー、ボードレール、萩原朔太郎、
吉田健一などのテキスト、エッフェル塔の建設過程やエティエンヌ・ジュール・マレーの連続写真など、
分厚い資料の束を参照しながらの濃密な講義で、夫は資料と格闘しながら大汗をかいていた。

ちなみにこの講義は、『新潮』の7月号に掲載される予定で、私が構成をおおせつかっている。
これほど多彩な引用と複雑な内容をどうやってまとめたらいいのか、非常に悩ましい。

●私が今月仕入れた「いまどきのネタ」
“ノマド”という言葉は、私には80年代とニューアカを連想させるのだが、
最近は“ファミレスで仕事をする人”という意味で使われていると知り、驚愕。

●タミーは、連休2日目の今日、我が家で行われたバーベキュー大会に大はしゃぎ。
人間たちが集まり、火を熾して肉を焼くイベントには、犬の原初的な記憶を呼び覚ます何かがあるようだ。

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↑今日は絶好のバーベキュー日和。

↓はしゃぎすぎて、なんだかつかれちゃったよ…。
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これから日ましに気温が上昇していくなか、暑さに弱いタミーを涼しいうちに散歩させるため、
早寝早起きにシフトしていくのが5月以降の我々の課題である。

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  1. 2012/04/29(日) 21:47:19|
  2. 日記
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それぞれの朝

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小雨が降って、空気がひんやりと湿り気を帯びた春の朝。

夫は、今日は16:30から東大駒場で最終講義だというのに、
この物憂さを誘う気候のせいか、異様なほどのんびり構えている。
彼が講義で語る予定なのは、「時間と近代」というアカデミックかつ壮大なテーマ。
だが朝の食卓の主な話題は、「なぜ『テルマエ・ロマエ』はこんなに盛り上がっているのか」なのだった。

「すごいよね、この朝日新聞の7面にわたる全面広告」
「そもそも、なぜこの漫画はこれほど人気があるんだろうね?」
「みんな、お風呂が好きなのかしらね?」(←湿気のせいで少し頭が悪くなっている)
「やっぱり、ローマ人が日本の風呂を評価するのが、プチ・ナショナリズムをくすぐるんだろうなあ」
「この映画、『エロ将軍と四十八人の愛妾』みたいになってたら面白いね」
「いや、思うに、きっとそういう映画にはなっていないだろうね…」

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庭の巡回から戻ったハナちゃんは、猫缶の箱に入って深く考え込んでいる。
最近、ハナちゃんはマンキューの『入門経済学』を読み、
“企業は最大の利潤を追求しつつ、公害や汚染など「負の外部性」には経済的に見合うだけ対処をすればいい”
というのが経済学的な発想の基本だと知って、人間への不信感を募らせているらしい。

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そしてタミーはリル人形を頭に乗せながら思う。
だんだんあったかく湿っぽくなって、梅雨になって、そのうち暑い暑い夏がくるね。
また、お父さんと海や湖でおよげるかな…。

  1. 2012/04/26(木) 11:28:43|
  2. 日記
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『川の光外伝』が書籍化!

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こんにちは、タミーです。
今日は、またぼくからお知らせがあるよ。

お母さんが1月14日のエントリで紹介していた『川の光』の外伝が、
ついに書籍化されることになったんだ。
中公論新社刊で、発売予定日は6月25日だって!

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↑外伝で登場するのはこんな動物たち。
左から、アナグマのフョードル、ネズミのグレン、フクロウのルチア、
ハクビシンのユンディ、リクガメのテオ、ダッチウサギのエリザベス、モルモットのゴンベエ。

お母さんはどうやら、懲りずにせっせと動物フィギュアを買い集めては、散財しているみたいだね。

ぼくも、「犬の木のしたで」という短編で、自作の詩を朗読したりして大活躍するよ!
またニュースがあったら、ぼくからお知らせします!

じゃあ、またね!

以上、タミーからのお知らせでした。






  1. 2012/04/23(月) 12:03:13|
  2. 川の光
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ビス丸の運命はいかに?

この数日、『川の光2』のビス丸が、危機的な状況に陥っている。
食あたりで具合が悪くなり、公園でうずくまっていたところを、親切な家族に保護されたはいいが、
依然として病状は改善しないまま、玄関のたたきでぐったりしているのだ。
タミーで再現すると、こんな感じだろうか↓(タミーはウトウトしているだけだが)。

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動物の体調が悪く、元気がなくなったときの夜も眠れないほど不安な気持ちは、
動物と暮らしたことがある人なら、誰でも経験があると思う。
そしてこの間、物語は人間たちの視点から語られているので、ビス丸が自分の体調についてどう感じているのか、
見知らぬ人間たちに保護されてどんな気持ちでいるのかは、読む側が推し量るしかない。
これもまた、読者をやきもきさせる要因になっている。

「“ビス丸はどうなっちゃうの?”という声が多数寄せられているみたいだよ」
「うんうん、たしかに心配だろうね~」
「まさか、まさかだけど、このまま衰弱して死んじゃったりしないよね?」
「さあ、どうなのかな~。どんな展開もありうる、それが新聞小説の醍醐味だからね~」
「万が一そんなことになったらみんな怒るよ!
 きっと『あしたのジョー』の力石徹の死に匹敵するくらいの衝撃が広がると思うよ…」
「でもさ、ぼくにはすべてが可能なんだよね。なにしろ作者だから。
そして、作者というのはのような存在だからねえ、ふっふっふっ」

にわかに物語作者としての万能感に目覚めてしまった夫は
「まあ、明日の朝刊を楽しみにするように」と言い置いて、タミーの夜の散歩に出かけて行ったのだった…。



  1. 2012/04/21(土) 19:32:23|
  2. 川の光
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春の犬映画④『アーティスト』

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噂のアギー君を見てきた。

アカデミー賞を席巻した21世紀のサイレント映画『アーティスト』は、
「同じことをもう一回やるわけにはいかない」という意味では“アイデア賞”または“一発芸”的な作品だが、
主演男優、主演女優、そして主演犬の全員が溌剌としていて、とにかく楽しい。

サイレント映画を徹底的に研究して作られただけあって、アギー君もサイレント的な演技をしている。
ノーリードでの完璧な「ツケ」。片手で顔を隠す「照れたふり」。“バーン!”と撃たれて「死んだふり」。
主人に合わせてタップのステップを踏み、主人の危機を警官に知らせるために全力疾走する。
(ちなみに、アギー君の芸のうち、タミーができるのは“バーン!”だけ…)

思うに、タミーのような大型犬だったら、これほど主演男優と一緒にぴたりとフレームに収まるのは難しかっただろう。
ほどよいサイズで賢くて活発。ジャックラッセル・テリアは“映画的”な犬なのかもしれない。
この犬種の得意技「大声で吠え続けて人間に注意を促す」も巧みに生かされている。

現在10歳のアギー君は、映画のプロモーションのために世界中を連れ回されてすっかり疲れてしまい、
今後は引退して静かな余生を過ごすらしいが、好奇心が強く、家でじっとしているのが苦手な犬種でもあるので、
変化に富んだ刺激的な日々を過ごせて、それなりに幸福だったのではないかと推測する。

ついでに、最近見たSF犬映画『ジョン・カーター』もご紹介。

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↑これのどこが犬なんだよ! とお怒りになる方もいると思うのだが、
このどこかカエルっぽい生物は、れっきとした「火星犬」なのだ。
地球から火星にやってきた主人公を主人と思い定め、彼が行くところ、どこにでもついていく。
足が10本あって、超絶的なスピードで駆け回るので、戦闘でも意外な強さを発揮する。
はっきり言って、やや無気味なルックスではあるが、見ているうちにものすごく可愛く思えてくるから不思議。
地球でも火星でも、犬は人間の最高の友なのである。



  1. 2012/04/18(水) 22:33:05|
  2. 動物の映画
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タミーからお知らせ

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こんにちは、タミーです。
最近、すっかりあったかくなったよね。
そのせいか、なんだか毎日ねむくてねむくて。

『川の光2』でのぼくは、江東区の倉庫にとらわれの身になったまま
いっこうに救助される気配がないけど、どうなっちゃうんだろう。

ところで、このところなにかとバタバタしているお父さんとお母さんに代わって、
今日はぼくが、最近のお父さんの仕事をご紹介します。

●その①
4月9日・10日の毎日新聞夕刊に掲載された、吉本隆明氏の思想をめぐる
橋爪大三郎さん、田中和生さんとの座談会。オンラインでも読めるよ。

座談会:吉本隆明氏の思想を語る(上)
http://mainichi.jp/feature/news/20120409dde018040098000c.html
座談会:吉本隆明氏の思想を語る(下)
http://mainichi.jp/feature/news/20120410dde018040009000c.html

●その②
『新潮』5月号 吉本隆明追悼文 「疲労と憤怒」

●その③
『文藝』2012夏号 14人の作家が選ぶ偏愛的「古井由吉他撰作品」
川上弘美さん、平野啓一郎さん、町田康さんほか10人のひとたちとともに文章を寄せているよ。

その②とその③は、いま本やさんに並んでいる最新号だから見てみてね。

●その④
倉橋由美子『完本 酔郷譚』(河出文庫・5月刊行予定)解説

●その⑤
1月には退官記念講演が東大本郷キャンパスで開催されたけど
今度は東大駒場キャンパスで最終講義が行われるよ。

松浦寿輝 最終講義
Murdering the Time――時間と近代

日時:2012年4月26日(木)16:30-18:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html

★予約不要、入場無料

時間のあるひとはぜひ聞きに行ってあげてね!

●その⑥
4月から、お父さんは朝日新聞の文芸時評を担当することになったんだよ。
第一回めは4月25日の朝刊。
その後、毎月最終水曜日の朝刊に掲載。

以上、タミーからのお知らせでした。

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ああねむい…ねむいよ…

春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜來風雨聲
花落知多少

……(爆睡)



  1. 2012/04/15(日) 22:53:29|
  2. 日記
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東京スカイツリーを見に行く

花見週間のさなか、我々は再び『川の光2』のロケハンに出発した。
先日の東京タワーへの遠足に続いて、今度は東京スカイツリーを見学に出かける。

5月22日の開業を目前に話題沸騰のこの電波塔は、『川の光2』でどのような役割を果たすのだろうか?
夫に聞いても「ヒ・ミ・ツ」としか答えないのだが、とにかく何らかの形でいずれ登場するらしいのだ。

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↑渋谷駅から地下鉄の半蔵門線に乗車する。
チッチとタータが軟禁されているネズミのヤクザ組織「渋竜会」のアジトは、おそらくこの近辺にあるはず。

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↑これも理由は不明だが、「地下鉄車両の最後部を写真に撮っておくように」と命じられた私。
乗務員さんに疑惑の目で注視されるなか、ホームから身を乗り出して、必死の思いで撮影を強行した。

少し離れた場所で見守っていた夫に「よく撮ったね!」と褒められたが、
もしかして、とても危険な犯罪を企画中の人に見えたのではないだろうか。

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↑押上駅に到着。

地図によれば、地上に出たら頭上にスカイツリーがそびえ立っているはずなのだが、何も見えない。
「ない!ない!」と空を見上げながら大騒ぎして歩き回っていたら、突然、ビルの背後にスカイツリー出現。

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↑左は押上駅の真上に建つ31階建の「東京スカイツリー イーストタワー」。
飲食店やオフィスが入る予定だそう。

↓南側に回り込んで真下から見上げるとこんな感じ。
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以下、夫の感想。
う~ん、なんだか威圧感があるなあ。僕はやっぱりエッフェル塔のほうが好きです。
エッフェル塔は「鉄のピラミッド」とか呼ばれることもあったんだけど、あの裾広がりの形態には
ピラミッドと同じく、何か人類の想像力の「原型」に通じるオーラがあるんだよ。
ほら、ピラミッド・パワーとかあるじゃない?
それから「鉄の貴婦人」という異名もあった。スカートを広げたような優美なシルエットで、
あの中央の空洞部分の構造から来る「軽さ」と浮遊感がとにかく素晴らしい。
エッフェル塔の女性性と比べると、敷地が狭いから仕方がなかったんだろうけど、
スカイツリーは垂直にそそり立っていて、どこか男根的だよね。
間近で見上げると威圧感という攻撃性というか、そういうファリックな圧力を感じる。
スカイツリー建造計画が発表されて以来、ぼくはずっと墨田区民をやかっかんでいたんだけど、
これはやっぱり、遠くから眺めた方が素敵な塔なのかもしれないね。

どんな塔を見ても、いつしかエッフェル塔礼賛へとなだれ込んでしまう夫。
彼は、現在のような“タワーブーム”が起きるはるか前に刊行された先駆的な評論
『エッフェル塔試論』(ちくま学芸文庫)の著者でもあるので、塔にはちょっとうるさいのである。



とかなんとか言いながら、世界一の電波塔をあらゆる角度から眺め回した後、
塔の南側を流れる北十間川沿いに、隅田川方面へ向かう。

↓ちょっとパリのサン・マルタン運河みたいな感じ。
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↓吾妻橋を渡って、浅草へ。
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↓隅田川を水上バスが行きかう。向かいはお花見たけなわの隅田公園。
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↓対岸から見るスカイツリー。
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↓隅田公園の桜。
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↓浅草の裏通りから眺めるスカイツリー。
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夫は台東区台東の生まれで、浅草は子供のころからよく遊びに来ていたので、
このあたりを歩くと、いつもくつろいだ顔になる。
昔、仲見世に出店していた親戚がいたり、小学校の同級生が洋品店を継いでご主人になっていたり、
「大黒屋(←老舗の天ぷら屋さん)の悪口を言う奴は許さん!」と思っていたりして、
半村良の『小説 浅草案内』の世界を地で行っているのである。

↓夫が嬉しそうに教えてくれた、地下鉄銀座線に通じる「秘密の通路」を抜けて帰途につく。
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それにしても東京スカイツリー、どのようにして『川の光2』に登場するのだろうか。

  1. 2012/04/12(木) 23:33:53|
  2. 川の光
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水彩画になったタミー

1月5日のエントリでご紹介したニューヨークのクリスティーンさんが、
タミーをモデルにして水彩画を描いてくださった。

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↓元になったのは、クリスティーンさんにお送りしたこの写真。

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よく散歩に行くK公園で撮影したスナップだが、絵では背景が壮麗なウェールズのお城に変えられている。
この作品は、オフ・ブロードウェイで開催されるグループ展に出品されるという。
タミーが現代アートの中心地で脚光を浴びると思うと興奮する。
  1. 2012/04/10(火) 00:00:44|
  2. タミー
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お花見週間はじまる

桜が本格的に開花しはじめた日曜日、陽気に誘われてふらふらと散歩に出かけた。
まずはタミーを連れてZ公園へ。

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↑朝の静かなZ公園は花見の穴場。

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↑近所の小公園まで戻ってきて、枝垂れ桜を愛でる。
しかしタミーは、花より「地面嗅ぎまわり」に興味がある様子。

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↑ご機嫌の超クローズアップ。
『ヒューゴの不思議な発明』を鑑賞して以来、我が家では
タミーを正面からクローズアップで見て「3Dだ…」と言うのが流行っている。

帰宅後、今度は人間だけで吉祥寺散歩に出かけた。

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↑近くのお寺を通りかかると、白い象が小さな仏様を背中に乗せていた。
4月8日は「花まつり」なのだった。

井の頭公園に近づくにつれ、次第に人が増えてくる。
人波をかき分けるようにして公園に到着すると、
桜より人のほうが多い、異様な混み合い空間が出現した。

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迂闊であった。今日は花見シーズン最盛期の休日なのだった。
それにしても凄い動員力…昨年の自粛ムードの反動もあるのだろうか。
タミーをここでノーリードにしたら、喜び勇んでブルーシートの上を駆け回り、
公園中に大パニックを引き起こしたに違いない。
花は遠見するだけにして、早々に退散することに。

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日本の桜の7割を占めるソメイヨシノは、明治時代に全国に普及したという。
すべて接ぎ木で増やしたクローンで、同一の遺伝子をもち、それゆえに一斉に開花する。
小林秀雄によれば「植木屋と文部省の陰謀で増殖した俗悪な桜」なのだが、
いっぺんにワッと咲いてあっという間に散る点も含めて、
日本人をハイな浮かれ気分にする妖しい魅力があると私は思う。

桜が散らないうちに、タミーを連れてピクニックに行きたい。
そんなわけで、花見週間はまだまだ続く…。




  1. 2012/04/09(月) 11:09:30|
  2. 日記
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春の犬映画③ 『ヤング≒アダルト』

この数日、『川の光2』は、ジャーマンシェパードのビス丸の窮地を描いている。
体調を崩して公園でうずくまっていたビス丸。そこに現れた謎の少年は、どうやら彼を救おうとしているらしいのだが…。

思えばビス丸の前の飼い主は、高級ドライフードや高価な首輪で甘やかしておきながら、
実のところ犬にはあまり関心がなく、散歩は業者に代行させ、触れ合いも求めていなかった。
もしかしたらビス丸は、愛情をもって接してくれる人間に初めて出会うことになるのかもしれない。

ところで、駄目な飼い主ということで思い出したのがこの映画。
シャーリーズ・セロン主演のコメディ『ヤング≒アダルト』である。

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この映画には、主人公の飼い犬として、ぬいぐるみのようにキュートなポメラニアンが登場するのだが、
主人公は、駄目な飼い主の典型である(むしろ“人間として駄目”と表現したほうが正しいかもしれない)。

犬の立場から、多少の推測を交えつつ、映画を紹介すると以下のようになる。

あたしの名前はドルチェ。イタリア語で“甘い”という意味なんですって。
お母さんはあたしを、ミネアポリスのペットショップで、酔った勢いで衝動買いしたの。
最近はお母さん、アルコール依存症がますますひどくなっちゃって、毎晩泥酔して帰ってきては、
メークも落とさず、ヌーブラもはがさず、そのままベッドに倒れこんで寝ちゃうの。
だからあたしは朝になるとお腹がすいて我慢できなくなって、お母さんの周りをぐるぐる回るの。
お昼近くなるとようやく起きて缶詰をあけてくれるんだけど、「ベランダで食べて」と外に出される。
そんな状態だから、散歩にもほとんどいかない。いつも散らかったアパートのお部屋でお留守番してる。
たまに男の人と夜遅く帰ってくることがあるけど、そういうときは一晩中ベランダに追い出されるの。
ある朝、お母さんは突然あたしをバッグに詰め込んで、車で生まれ故郷の町に出かけた。
モーテルにチェックインして、あたしが入ったピンクのバッグをカウンターの上に勢いよく置いたので
あたしはびっくりしたのと苦しいので思わずもぞもぞ動いちゃったの。
モーテルの人が見とがめて「犬ですか?」と聞いたんだけど、お母さんは「違うわよ!」で通しちゃった。
そしてあたしは再び、モーテルの部屋でお留守番。お母さんはここでも毎晩泥酔して帰ってくる。
なんだか故郷の町でたくらんでいることがあるらしいんだけど、あたしにはよくわからない…。

この“人として駄目”な37歳の女は、「既婚で子持ちの元彼を妻から奪う」という狂気の計画を胸に
故郷のスモールタウンに帰ってきて、痛々しい笑いに満ちた大波乱のドラマを繰り広げるのだが、
ろくに世話をしてもらえない可哀想な犬の存在が、主人公のどうしようもなさを一段と強調する仕掛けになっている。

ドルチェを演じたのは、プロデューサーがマンハッタンの路上でスカウトした4歳のハマーちゃん。

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ポメラニアンは、いつも口角があがって笑っているように見える唯一の犬種で、
「どんなにひどい扱いをされても笑顔でいる犬」というキャラクターにぴったりだったとか。

ブラックなギャグの数々に大笑いしながらも、犬は大切にしなきゃね、と気持ちが引き締まる映画であった。

ちなみに主演女優シャーリーズ・セロンは、実生活では大変な愛犬家で、
保護施設から何頭も犬を引き取って飼っているだけでなく、
PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)=「動物の倫理的扱いを求める人々の会」の
強力なサポーターとして、ポスターに愛犬と一緒に登場したりしている。

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  1. 2012/04/07(土) 23:26:43|
  2. 動物の映画
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東京タワーをさらに研究

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東京タワーへの遠足の翌日、暴風雨が吹き荒れて一日家に閉じ込められた私は、
書庫から中沢新一の『アースダイバー』を探し出してきた。
2005年に刊行されたこの本には、たしか東京タワーのことが書かれていたのではなかったか。



読み返してみて驚いた。本書では丸ごと一章が東京タワーに捧げられているだけでなく、
塔のロケーションがもつ意味について、目からウロコが落ちるような分析がなされていた。

中沢氏によると、現在、東京タワーが建っている場所は、縄文時代には海原に突き出した大きな半島だった。
芝の半島は東京でも有数の聖なる「ミサキ」で、「死霊の世界とのコンタクト地帯」として、
古来より数多くの墓地が作られてきたという。
そんな特別な場所に建設された東京タワーは、「天界」と「地上界」をつなぐ“垂直の橋”として機能しているのだ。

展望台へのエレベーターに乗りながら、著者はこんな感慨を抱く。

「芝公園の前方後円墳を包む森を起点にして、まるで死霊の王国のエネルギーが渦を巻くようにして、
東京タワーに蔦の葉がからむように巻きついてくるのが感じられる。
そこから吹き上げてくる霊気に巻き上げられるようにして、エレベーターは静かに上昇していくのだ。」

ううむ、東京タワーがそれほど強い磁力をもつ「タナトスの塔」だったとは。
夫と私はほとんどその気配を察知しないまま、嬉々として展望台に上ってまた降りてきてしまった。
タワーの周辺に、お寺や墓地がやたらと多いことには気が付いていたのだが…。

映画で初めて東京タワーを破壊した怪獣はモスラだが、中沢氏によると、
モスラは「自分自身のおこなう死と再生の秘儀にふさわしい場所」としてこの塔を選び、
二つにへし折って繭をつくり、羽化して飛び立ったのだそうだ。
「糸をひっかけやすくて便利」といった散文的な理由ではなかったのである。

それで思い出したのだが、私の記憶に残る最初の東京タワーの映像は、6歳か7歳のとき、
父の仕事の関係で滞在していたパリで見た『三大怪獣 地上最大の決戦』(1964)のワンシーンだ。
三本の首をもつ怪獣キングギドラが「ピラピラピラ」という宇宙音とともに光線を吐き
東京タワーをあれよあれよという間に破壊してしまう。

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私はこの映画を、シャイヨー宮にあった旧シネマテークで見た。
5歳のとき家族とパリにやってきて、カルチャーショックでそれ以前の日本の記憶が吹っ飛んでしまっていたため、
奇妙な巨大怪獣たちが東京上空を飛び回ってモニュメントを破壊しまくる映像は、子供心に深い印象を残した。
「日本って、なんだか凄いところだ…」と私は思い、軽い戦慄を覚えたのだった。

ともあれ、これほど凄まじい霊気が渦巻く場所を集合地に選んでしまった『川の光2』の動物たちを
いったいどんなドラマが待ち受けているのか。ちょっと心配になってきた…。


  1. 2012/04/04(水) 23:50:23|
  2. 川の光
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東京タワーを見に行く

よく晴れた春の一日、『川の光2』のロケハンのため、
我々は東京タワーに向けて出発した。

東京タワーは、タミー救出部隊の集合場所で、物語の重要な舞台になる。
しかし、夫は小学校の遠足以来、訪れていないし、
私も東京生まれの東京育ちなのに、この東京名所に上ったことがない。
一度見ておかないとまずいのではないか、と前々から話していたのだが、
「寒い」とか「風が強い」とか「締切が…」などの理由で延び延びになっていた。

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↑赤羽橋方面から見るタワー。

まず吉祥寺から井の頭線で渋谷駅へ。渋谷からはいろいろな行き方があるのだが、
今回は新橋駅行きのバスに乗ってみることにした。
バスは明治通り沿いにいったん南下し、天現寺~古川橋~四の橋~三の橋~
二の橋~一の橋~麻布十番と、港区を大回りしながら再び北上する。
台東区生まれの夫と中野区生まれの私にはあまり馴染みのないエリアで、風景が新鮮だ。
赤羽橋で下車すると、いきなり眼前にタワーが出現した。

「野田岩」のうなぎで腹ごしらえをしてから、いよいよタワーへ。

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↑真下から見上げるとこんな感じ。『ぷりぷり県』(吉田戦車)のつとむ君ではないが、「赤い」。

平日なのになぜか混雑していて、250m地点の特別展望台は1時間待ち。
そういうわけで150m地点にある大展望台へ。

私は高いところが昔から大好きで、シアトルのニードルタワーからワルシャワの文化科学宮殿まで、
訪れた場所の高層建築物にはとりあえず上ってみるのだが、
なぜ東京タワーだけはいままで上ってみなかったのか、自分でもその理由がわからない。
この展望台は150mなので、驚愕するような眺望ではないし、霞がかかっていて富士山や筑波山は見えないが、
さすがに360度の絶景はなかなかの迫力だ。
東京スカリツリーはこの4倍の高さに展望台があるわけだから、さぞ素晴らしい眺めだろうと想像する。

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↑レインボーブリッジ方面を望む。

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↑増上寺を見下ろすチッチとタータ。

ケーセン社のねずみのぬいぐるみを2匹、おもむろにバッグから取り出して
親子連れで混み合う大展望台の手すりに設置し、撮影を敢行した私だったが、ふと気が付くと夫の姿がない。
あわてて探すと、いつの間にか、離れた場所に姑息に移動して、私の撮影を観察していた。
「ねずみのぬいぐるみを撮る怪しい女」の連れだと思われたくなかったらしい。

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↑浅草方面には、東京スカイツリーも見える。

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東京タワーは、塔の直下に「フットタウン」という4階建てのビルがある。
(「これが決定的に美観を損ねている。エッフェル塔は、下の空虚な空間が塔の美しさを引き立てている」と夫)
そのビルの屋上で、タケちゃんという名の猿が、子供たちを前に芸を披露していた。

この猿とマクダフが出会ってしみじみ語り合ったら、面白いのではないだろうか。
東京タワーで働く、人生に疲れた猿回しの猿タケちゃんはマクダフに言う。
「俺はこの上で長い間、高いところに上って顔を上気させ、俺の芸に笑って手を叩く人間たちを見てきたよ…
 そして今日みたいな、晴れた春の日にはつくづく思うんだ、俺の一生って、一体何だったんだろう、って…」

夫に提案してみたところ「悪くない案ではあるが、際限なく登場動物を増やしていくと
連載期間が1年ではとても足りなくなってしまう」とのことで、あえなく却下。

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↑帰りは芝方面へ。もう桜が咲き始めていた。

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芝の増上寺では、「法然上人八百年御忌」の大法要が行われていた。
本来は昨年の春のはずが、東日本大震災の影響で一年延期されたとか。

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↑この謎のかぶりものに激しく興味をひかれた私。

tower09
↑すでに満開になっていた枝垂れ桜。

tower11

最後に大門通りのカフェで休憩。
そうよ私は幼稚な女。挙動不審と思われてもいいんだわ。
やや引き気味の夫をよそに、再びチッチ&タータと記念撮影。



  1. 2012/04/02(月) 23:00:09|
  2. 川の光
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